日本の投資資金は腰が重く、相変わらずアジアに対して、動きが鈍いですが、アジアの成長を御自分のポートフォリオに取り込み、アジアの成長からリターンを得ることは、投資戦略としては、非常に重要です。

2017年のアジア地域の経済成長は、世界全体の経済成長率予測3.5%を上回り5.5%の成長が予測されています。2016年は、英国の欧州連合離脱に関する国民投票結果や原油・商品価格の市場調整の影響を受け、アジアの資本市場も資本流出懸念から値を下げる局面もありましたが、その影響は短期的でした。2017年も欧米からアジア地域への資本の流入は継続しました。アジアの国々が、人口ボーナスの享受などで相対的に高い経済成長を期待でき、世界的な低金利の環境やこれまで取られた金融・財政刺激策により、恩恵を受けるという期待の継続が、背景にはあります。

中長期のスパンで考えれば、アジア経済の成長は世界経済のけん引役になるでしょう。アジア経済は2030年までに先進7カ国グループ(G7)の経済規模を上回り、20ヶ国グループ(G20)の経済規模の約半分の規模に達するというものです。これは、世界経済のウェイトが、西洋から東洋(アジア)へとシフトすることを意味します。このシフトとアジア各国の経済規模の拡大に伴って、資金もシフトし、アジア地域には資金が流入すると予想されています。

一方、アジア経済は、いまだに米国や欧州圏の最終需要への依存度が高く、先進国に比べて脆弱であり、期待は行き過ぎだとの指摘があります。アジア通貨危機(1997年)やリーマンショック(2007年)のような危機的な状況下では、アジア地域の市場の混乱情況は、確かにひどいものがありました。しかし、リーマンショック以降は、経済規模が格段に大きく成長したことや、アジア域内消費の増大によりアジア域内での取引量が着実に増加したことなどで、先進国からの依存度は相対的に小さくなり、経済のリバランスは進展していることを見過ごしてはならないでしょう。

また、金融面で、アジアは先進国の資金に対する依存度が高いことをリスクだとする指摘もあります。しかし、当時と比べて、アジア諸国の外貨準備高の絶対的な水準が大きく改善していることや、対外債務水準の大きさが相対的に小さくなってきていることは、金融面での振れ幅を抑えるでしょう。また、信用枠の確保、国家間の通貨スワップ拡大など、セーフティネットを構築・整備してきたことも、評価すべきと考えます。つまり、アジア地域の外的要因に対する脆弱性は、対策もとられ、改善されているのです。

もちろん、アジア市場の変動率が引き続き高いことには注意が必要ですが、ポートフォリオに占めるアジアのウェイトを徐々に増やし、アジアの成長から、ポートフォリオの価値増大の恩恵を受ける戦略は、一段と進める必要があると考えます。

コラム執筆:Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank (NWB)
世界三大金融市場の一つである香港にて、個人投資家に、「世界水準の資産運用商品」と「日本水準のサービス品質」、個人向け資産運用プラットフォームとしての「安心感」を併せて提供している金融機関。マネックスグループ出資先