オルタナティブ投資が注目される理由

「投資」と聞くと株式、債券への投資(投資信託の購入を含む)を思い浮かべるでしょうか?これらは伝統的資産への投資と言われるものです。

それに対して、代替投資すなわち「オルタナティブ投資」と言われる投資があります。オルタナティブ投資の対象にはコモディティ(商品)やヘッジファンドなどがあります。

値動きの異なる投資の組み合わせによる分散投資は、リスク低減の観点で重要です。しかし、投資のボーダーレス化により、国内外の伝統的資産の値動きが似通うことも多く、分散効果が弱まる場合もあります。そこで、より値動きの関連性が乏しい、もしくは反対の値動きの傾向があるオルタナティブ投資に注目が集まるようになりました。

金投資のメリット・デメリット

商品投資というと投機的なイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、商品の中でも金は別格の歴史を持ちます。金そのものが貨幣として流通したり、政府が発行する紙幣の裏付け(金本位制)にされたりしてきました。

それは金が、はるか昔から高貴で普遍的な価値とされてきたためで、今後もその価値がゼロになることはないでしょう。世界中どこでも換金できますので、その信用度は大変高いものです。「有事の金」という言葉があるように、金は世の中の政治的、経済的混乱期やインフレにも強いと言われています。

もちろん金は市場で取引されていますので相場があり、常に価格変動しています。通常、伝統的資産である株価が上昇すると金価格は反落し、株価が下落すると上昇する傾向が高いため、分散効果が高いと考えられます。金市場は米ドル建てで取引されますので、為替変動リスクも考慮する必要があります。

また、いくら大量に保有しても利息はつきませんし、配当もありません。もし現物を自宅に保有すれば盗難リスクもありますし、業者に保管を依頼すると保管手数料がかかるだけではなく、その業者の破たんリスクもあります。

このようにデメリットもありますが、金はなにより伝統的資産のリスクヘッジ、資産の安定化という役目に期待できる資産であることが魅力です。

金投資の方法

金投資には下記のような方法があります。

・現物:金貨・金地金
・純金積立:金の現物保有も可能
・投資信託:金に投資する投資信託
・金ETF:金価格に連動を目指す上場投資信託(国内外市場)
・商品先物:金の先物取引 

金現物を手元に保有することを希望しないのであれば、手軽に少額から投資できる方法を選ぶのが良いでしょう。投資信託や金ETFには様々な銘柄がありますので、手数料や実績などを比較しながら商品内容を見てみましょう。

金は伝統的資産と組み合わせてポートフォリオの中に一部保有することで、分散効果を高められるものです。金投資をメインとして集中投資にならないよう気をつけましょう。

どんな投資にも言えることですが、一極集中は投資リスクを高めることになります。前述の通り、金投資は利息も配当も生み出さないことを改めて覚えておいてくださいね。