日経平均株価は、終値ベースでじわじわと株価水準が切り上がっているものの、29,000円を目前にして足踏み状態が続いています。果たして、このまま足踏み状態が続くのか、あるいは29,000円台に乗せるのか、それとも反落してしまうのか、これまでの値動きを振り返りながら分析してみたいと思います。
1月20日から26日までの値動きについて
1月20日から26日にかけての日経平均株価は、5日移動平均線上を維持すると同時に、1月25日には終値ベースで約30年半ぶりの高値水準をつける場面がありました。しかし、買いが続かず1月26日には反落して終えており、株価は狭いレンジでの値動きとなっていることが分かります。
ではなぜこのような値動きなっているのでしょうか。
日経平均株価の過去の値動きを振り返って見ますと、2020年12月初めから12月29日まで、現在と同じように横ばいで推移している期間があったことが分かります。
このときを振り返ってみますと、米議会でなかなか追加経済対策がまとまらないという状況がありました。また、トランプ前米大統領が上下両院を通過したあとも規模が小さいとして、年末の12月27日まで署名を見送っておりました。このように当時は、経済対策への不透明感が高まった状況であったことが背景にありました。
一方、2020年12月28日(日本時間)にトランプ前米大統領が追加経済対策法案に署名すると、翌営業日(12月29日)以降に日経平均株価が窓をあけて上放れる結果となり、上昇トレンドが発生しているのが分かります。
なぜ横ばい状態になっているのか
ではなぜ今回、1月も最終週になって値動きが小さくなり、横ばい状態になっているのでしょうか。これは2020年12月と同様にイベントを意識した投資家心理の表れではないかと、私は考えています。
そのイベントとして、1つは米国の金融政策を決定するFOMC(米連邦公開市場委員会)が現地時間の1月26日から27日まで開催されていますが、投資家は金融政策の結果発表を待っていることが考えられます。そして、もう1つは国内要因となる国内企業の業績発表が控えているということが挙げられます。
国内では、3月期決算企業が多く、なかでも今週末に400社を超える企業が業績を発表する予定のため、その結果を見たいといった投資家心理が日経平均株価の動向に影響を与えていると考えられるのではないでしょうか。
イベント通過後、トレンドが発生するか?
では、イベントが通過したあと、2020年末と同様にトレンドが発生するのでしょうか。
仮にトレンドが発生するとした場合、前述のように高値を更新して始まるような窓(=ブレイクアウェイギャップ)の発生が必要になると思われます。
また、その際、横ばいの5日移動平均線が上向きに変化してサポートになる必要がありますので、5日移動平均線の向きにも注目する必要があります。
一方で、下方向に窓をあけて下落した場合、ここでも5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるかどうかを確認することで、埋まっていない窓を埋めることになるかの判断材料になると思われます。
今週は新たなトレンドが発生するかという点でも重要な週になりそうですので、目を離さないようにしたいところです。