前回コラムに続いてマザーズ市場関連のお話をさせていただきます。マザーズ市場の1日あたりの売買代金が3000億円を超え、約3ヶ月ぶりの水準まで盛り上がってきています。
マザーズ指数も25日移動平均線が上向く強気サインに加え、週足では株価が13週(約3ヶ月)移動平均線を上回り、13週移動平均線自体も上向きに変わってきました。このまま長期の26週移動平均線上を保てれば、2020年10月に付けた高値を更新する期待感が徐々に高まってくるとみています。
一方、少し気がかりなのが、IPOインデックス(加重)との関係です。IPOインデックスとは、過去1年以内に上場した銘柄の値動きを指数にしたものです。特に、2020年3月からの上昇局面では、マザーズ指数との連動性を強めています。しかし、足元ではIPOインデックスだけが連日、過去最高値を更新する動きが続いています(図表参照)。
【図表】マザーズ指数の高値更新にはIPOインデックスのさらなる騰勢がカギ
(2018/1/4-2021/1/22)
(2018/1/4-2021/1/22)
2018年にマザーズが高値を付けてから2020年3月までの長い調整局面の中では、時折、IPOインデックスが相対的に強い局面がありました(赤太の矢印)。
その背景としては、すでに保有している値動きの乏しい銘柄を売って、上場したばかりの値動きが大きい銘柄を買う動きが強まったことが考えられます。足元もよく似た状況と推測できますので、あまり違和感はありません。
ただ、1月後半から上値が重くなる直近3年間の傾向が2021年にも当てはまると考えた場合、マザーズ指数の頭を抑える要因になりかねません。
マザーズ指数が高値を更新するには、テクニカル面の好転に加え、直近3年間とは違ったIPOインデックスの勢いが、1月後半以降、さらに高まるかどうかが重要なカギになりそうです。