調整局面にある東証マザーズ指数は、そろそろ打診買いのタイミングとみられます。そのような中、個別株の選別が難しいのが新興小型株です。マザーズ指数は2018年以降の調整局面では何度か中間リバウンドがあり、それが一巡すると再び底割れが続いてきました。

経験則上、「今回もそうなるのではないか」という思考回路も働きます。しかし今回は、調整は調整でも、大きく崩れないのが特徴です。下げない相場は強いのでしょう。

マザーズ指数は25日移動平均線が久しぶりに上向くタイミングに入ってきました。一目均衡表では、雲を上抜けて三役好転の強気局面入り、とまでは至っていません。しかし、週足の一目均衡表では今週で3週連続して転換線上を回復する可能性もあり、来週からは基準線が上向きに変わってきそうです。

ここで忘れてはいけないことは、2020年3月からの大幅上昇によって、2018年の1月高値(1355.55P)を更新したことです。高値更新後の単なる短期的な調整の可能性があり、調整一巡後は上値が拡大するシナリオが想定できます。

目先では雲を上抜けられず、調整継続の可能性も十分あり得ます。しかし、マザーズ市場の過去の月別売買代金の推移をみると、6月に向けては増加する傾向がみられます。

日経平均株価の3万円乗せを期待して主力株の押し目買いを狙うより、「人の行く裏に道あり花の山」という格言の通り、少しのまわり道を覚悟しながらも、大きく取れそうな個別株選びが必要かもしれません。

そこで、マザーズ市場でシンプルなスクリーニングをしてみました。

25日移動平均線が上向きかつ株価が25日移動平均線から10%以上かい離していない、RSI(14日)が強気局面の50%を上回っている、売上高成長率が5%以上がその条件です(1月18日前引け時点)。時価総額や流動性、財務面などは加味していません。

以下、銘柄コード順に記載しています。

富士山マガジンサービス(3138)、フォーライフ(3477)、アズーム(3496)、メディカルネット(3645)、ロジザード(4391)、BASE(4477)、メドレー(4480)、JTOWER(4485)、ビザスク(4490)、メディアシーク(4824)、レントラックス(6045)、自律制御システム研究所(6232)、WDBココ(7079)、BuySell Technologies(7685)、アルファポリス(9467)。

なお、筆者の印象では、BASE、メドレー、JTOWERなど時価総額上位陣が上記に入ること自体、マザーズ市場に余力が残っていることを示しているように思われます。