ジョージア州の上院議員決選投票は、民主党候補が勝利

世界中のマーケットが注目していた米国ジョージア州の上院議員決選投票では、民主党候補が2議席とも勝利を収めることになりました。

これを受け、民主党が上院で6年ぶりに主導権を握ることになりました。今回の2名の候補者の勝利を受け、上院は民主党、共和党議員共に50議席ずつとなるのですが、採決で賛否同数の場合はハリス次期副大統領が上院議長として投票権を投じることができるため、実質、民主党が上院の主導権を持つことになります。

これにより、大統領、上院、下院の3つを民主党が確保するという「ブルーウェーブ」の状況となりました。

選挙結果を不服とするトランプ支持者が米議会に乱入

1月6日、議会での合同会議で大統領選の結果を正式に承認する予定であった首都ワシントンDCには、バイデン次期大統領の勝利を不服とするトランプ支持者が殺到しました。トランプ大統領がトランプ支持者を煽る発言をしたことがきっかけとなり、平和的に行われるはずであったデモは暴動へと変わり、トランプ支持者が連邦議会議事堂へ乱入し、議会で行われていた合同会議が中断されるという事態になりました。

その後、合同会議は同日午後8時(日本時間の1月7日午前10時)に再開されました。
 
かかる事態を受け、ワシントンDCでは翌日午前6時まで外出禁止令が発令されるという異例の事態となりました。

また、ツイッター(TWTR)はトランプ大統領の投稿に規定違反があったとして、同氏のアカウントを12時間停止するという異例の対応を行いました。 

米国株式市場の動きは?

そんななか、米国株式市場の動きはというと、ダウ工業株指数は1.44%、S&P500指数は0.57%共に上昇した一方、ナスダック総合指数は0.61%下落して取引を終えています。
 
1月6日のマーケットは、アップル(AAPL)やマイクロソフト(MSFT)などの大型ハイテク関連には売りが先行する形となりました。一方、バイデン新大統領による追加大型経済対策が期待され、景気敏感株への買いが優勢となっています。米国株ポートフォリオで2021年の米国経済回復関連銘柄をお持ちでない方は、ポートフォリオの調整を検討してみてはいかがでしょうか。

民主党による大統領、上下両院過半数獲得により、追加的な景気刺激策、クリーンエネルギー投資やインフラ投資が行われる可能性が選挙前よりも高まってきています。皆さんの米国株ポートフォリオもそれを踏まえた準備が必要であると考えます。
 
前回の記事でご紹介した米国経済回復関連参考銘柄は以下の通りです(株価は2020年12月31日の引値)。
 
ボーイング (BA) $214.06
バンク・オブ・アメリカ (BAC) $30.31
ブッキング・ホールディングス (BKNG) $2227.27
シティグループ (C) $61.66
ディア (DE)$269.05
ゼネラル・エレクトリック (GE)$10.80
ゼネラル・モーターズ (GM) $41.64
サウスウエスト航空 (LUV)$46.61
ライブ・ネーション・エンターテイメント(LYV)$73.48
キャタピラー (CAT) $182.02
マーチン・マリエッタ・マテリアルズ (MLM) $283.97
ネクステラ・エナジー (NEE) $77.15
プラグ・パワー (PLUG)$33.91 
 
大型テクノロジー銘柄が売られていますが、この売りが長く続くとは思っていません。1月6日に変わったのはパーセプション(見方)だけであり、ファンダメンタルズは変わっていないからです。
 
アップル (AAPL) $132.69
アマゾン (AMZN) $3256.93
アルファベット(GOOGL) $1752.64
ジュミア・テクノロジーズ(JMIA) $40.35
エヌビディア (NVDA) $522.20
ペイパル・ホールディングス (PYPL)$234.20
スクエア (SQ) $217.64