東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。日経平均は131円高の27,575円で寄り付くと直後に157円高の27,602円まで上昇しましたが、朝方の買いが一巡するなかで上げ幅を縮めると取引から10分弱でマイナスに転じ10時には401円安の27,042円まで下落しました。しかし、節目の27,000円を前に下げ渋ると大きく持ち直し99円安の27,344円で前場を終えました。下げ幅を広げ169円安の27,275円でスタートした後場の日経平均は13時20分前に119円安の27,324円まで戻した後14時30分過ぎに233円安の27,210円まで下げ幅を広げるとその後引けにかけてやや戻したものの結局185円安の27,258円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。また、商いは低調で東証1部の売買代金は1兆9441億円に止まり2兆円を下回っています。

2.個別銘柄等

エムスリー(2413)が4.5%高となり上場来高値を更新しました。緊急事態宣言の発出が意識されるなか製薬会社と医療従事者がオンラインでやりとりできる医療情報サービスなどの需要増が期待できるとして買いが向かいました。また、緊急事態宣言でテレワークが増えるとみられることからテレビ会議システムのブイキューブ(3681)も買いを集め13.1%高となり、ジャスダック市場では緊急事態宣言で利用が増えるとの見方から出前館(2484)が物色され7.2%高となっています。

一方で東京都が酒類を提供する飲食店などに要請している22時までの時短営業を飲食店全般に拡大して20時までとする方向で調整していると伝わったことで居酒屋関連などが売られました。コロワイド(7616)が6.9%安となったほか、鳥貴族(3193)が5.6%安、串カツ田中(3547)が4.4%安、ワタミ(7522)が4.9%安、チムニー(3178)が5.3%安となっています。また、緊急事態宣言の発出が意識されるなか百貨店株も安く、高島屋(8233)が3.2%安、J.フロント リテイリング(3086)が4.8%安、三越伊勢丹ホールディングス(3099)も4.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は185円安となりました。昨年末の米国市場でダウ平均が連日で史上最高値を更新したこともあって上昇してのスタートとなりましたが、菅首相が首都圏の1都3県に緊急事態宣言を週内にも発出する方向で検討に入ったと伝わるとマイナスに転じ下げ幅を広げました。今年初の取引となる大発会だっただけにやや残念ですが、先月の29日に700円以上も上げた後ということもあって利益確定の売りも出やすかったともいえます。しかし、節目の27,000円を前に切り返し下げ幅を縮めました。押し目での買い意欲は引き続き健在で、明日以降の切り返しに期待したいところです。本年も皆様のお役に立てるよう情報発信に努めてまいります。本年もマネックス証券をよろしくお願いいたします。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)