ある国の一人あたりのGDPが3000ドルを超えると、日常生活に必要なものが満ち足りてきて、不動産や自動車などの高級品の消費が急速に拡大するとよく言われますが、中国の2010年の一人あたりのGDPは約4400ドルで、まさに消費が大きく拡大しているところです。そして実際のところ、中国の消費関連銘柄は拡大する消費を背景にして高い成長を遂げています。
アメリカでも1960年台以降のベビーブーマー世代の出現で消費が爆発し、コカ・コーラやマクドナルドといった株価は長期的に成長を続けて株価は大きく上昇しました。世界で最も有名な投資家の1人にウォーレン・バフェットがいます。バフェットは1~2年で爆発的に資産を増やす短期トレーダーではなく、40年以上一貫して毎年20%前後のリターンを継続的に生み続けてきたことで巨額の資産を形成しました。そのバフェットが選んだ代表的な銘柄がコカ・コーラやマクドナルドです。これらの銘柄は初期段階に該当する消費財銘柄であり、その流れはベビーブーマー世代の成長とともに車、レジャー、住宅と形を変えて継続していきました。日本の自動車メーカーも近年は米国市場でその恩恵を受けたわけです。
中国株投資における大きな魅力の1つは、このように過去の米国や日本で起こったような消費が急拡大する局面の消費銘柄を購入できることがあると思います。日本であれば、消費関連の大手企業がこれから大きく成長するシナリオを描くこと自体が難しいですが、中国の場合、ある市場の首位企業であってもこれからさらに大きく成長できる余地があると思います。
もちろん、中国株の場合でもそれらの企業は時価総額で数千億円クラスの企業が多いですが、世界のトップクラスを見てみると、ユニリーバやコカ・コーラ、ネスレなど数兆円クラスの時価総額となりますので、現状、時価総額数千億円の企業であっても10年先、20年先まで考えれば、世界最大の人口を誇る中国の消費拡大を背景に、数倍の大企業になっていける余地があるのではないかと思うわけです。