東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発しました。日経平均は34円高の26,691円で寄り付き115円高の26,772円まで上昇した後7円高の26,664円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると再び上げ幅を広げ前引け間際に125円高の26,782円まで上昇し114円高で前場を終えました。さらに上げ幅を広げ161円高の26,818円でスタートした後場の日経平均は引けにかけて一段高になると結局197円高の26,854円と高値引けで取引を終え年初来高値を更新しています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

三菱重工業(7011)が5.0%高となりました。石炭の代わりに水素を利用して鉄をつくる設備を欧州に建設すると伝わったことが材料視されました。水素関連銘柄にも買いが波及し川崎重工業(7012)が5.1%高となったほか、岩谷産業(8088)が3.4%高、三菱化工機(6331)も2.3%高となっています。アスクル(2678)も4.6%高となりました。稼働日で修正した12月の売上高が前年に比べて高い伸びとなったことが好感されました。ジャスダック市場ではワークマン(7564)が一時3.1%高まで上昇する場面がありました。毎年60店舗のペースで出店し2040年までに店舗数を現在の2倍強の2,000店程度に増やすと報じられたことから期待が高まりました。

一方でニトリホールディングス(9843)が一時3.9%安まで下落する場面がありました。第3四半期の営業利益は大幅な増益となりましたが、事前の観測報道通りの水準であったことや、通期の見通しを据え置いたことで材料出尽くしとなりました。あさひ(3333)も同じく第3四半期の営業利益が大幅な増益になりながら通期の見通しを据え置いたことで5.7%安となっています。さらにシャープ(6753)も子会社で不適切な会計処理が行われていた疑いが判明したと発表したことで3.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は197円高となりました。トランプ米大統領が追加経済対策の法案に署名したと伝わったことから時間外で米株価指数先物が上昇したことで上げ幅を広げる展開となりました。その結果9日に付けた年初来高値(26,817円)を13営業日ぶりに更新しましたが、日経平均は大納会を含むラスト3営業日に上昇する確率が高いだけに残り2営業日で節目の27,000円を試すような展開も期待できそうです。

なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算銘柄の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)やしまむら(8227)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)