年初来高値を更新してきた豪ドル/米ドル

豪ドル/米ドルは先週、0.74米ドル台半ばまで上昇し、9月1日に記録した0.741米ドルという年初来高値を更新してきた。ところで、これを90日MA(移動平均線)との関係で見ると、足元で0.721米ドル程度の90日MAを2%上回った水準、0.736米ドルを大きく上回ってきたことになる(図表1参照)。

【図表1】豪ドル/米ドルの90日MAからのかい離率 (2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

米大統領選挙年の為替相場には、選挙前の小動きから、選挙後には一転して大きく動き出すといった「アノマリー」がある。その目安は、90日MA±2%のレンジをブレークすると、かい離率が一気に±5%以上へ急拡大に向かうということだった。

確かに、前回、2016年の米大統領選挙後の豪ドル/米ドルも、今回と方向は逆ながら、90日MAマイナス2%の水準を下回ると、マイナス5%前後まで一段安となった(図表2参照)。今回、豪ドル/米ドルが90日MAを5%上回る動きに向かうなら、0.76米ドル程度を目指すといった見通しになる。

【図表2】豪ドル/米ドルの90日MAからのかい離率(2016年4月~2017年3月)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

では豪ドル/円はどうか。豪ドル/円の90日MAは足元で75.9円程度。従って、それを2%上回った水準は77.44円程度で、先週はまさにこの90日MAプラス2%水準ブレークをトライする展開となった。これまで見てきたように、豪ドル/円も90日MAプラス2%水準をブレークし、90日MAプラス5%の水準へ一段高に向かうなら、80円を目指すといった計算になる。(図表3参照)

【図表3】豪ドル/円の90日MAからのかい離率(2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

ただし、先週にかけて大きく動き出したのは、豪ドル高・米ドル安、ユーロ高・米ドル安などで、共通したのは米ドル安。その意味では、選挙後のトレンドは米ドル安の可能性があり、そうであれば豪ドル/円への影響は読みづらいかもしれない。