中国商務部によると、2011年1~7月、中国の小売総額は前年同期比16.8%増の10兆元となっています。そして分野別に見ると、百貨店の業績は平均以上の水準で拡大しています。7月、百貨店の売上成長率(前年同期比)は6月の19.1%から20.7%に拡大し、小売業の中では最も高い成長率を誇る分野となっています。それに対し、スーパーマーケットの売上成長率は6月比1ポイント増の14.4%増、家電販売などの専門小売チェーンの売上成長率は6月比3.1ポイント減の8.8%増に留まっています。

百貨店の好成長は上場会社の業績に表れています。2011年上半期ベースで、中国本土A株の小売セクター全体の売上は前年同期比28.3%増、純利益は34.33%増となっていますが、そのうち百貨店の業績成長は最も高く、売上と純利益の成長率はそれぞれ40.4%増、47.9%増となっています。それに対し、スーパーマーケットの売上と純利益成長率は15.1%増と33.1%増であり、その他の小売チェーンは25%増と19.9%増です。明らかに百貨店セクターの業績伸び率が高いことがわかります。

香港上場の百貨銘柄を見ても、金鷹商貿(3308)、銀泰百貨(1833)などは依然として好成長を続けています。金鷹商貿(3308)の2011年上半期の売上は前年同期比35.1%増の15.6億元で、純利益は同32.5%増の6.1億元です。既存店の売上成長率は28.7%です。そして、2011年通期の既存店売上は25%以上拡大する見通しです。既存店による業績拡大のほか、金鷹商貿は今後3年間に店舗数を現在の20店から50店に拡大する計画です。

また、銀泰百貨(1833)の2011年上半期の売上は前年同期比42.3%増の15.6億元で、純利益は60.3%増の4.8億元です。既存店の売上成長率は28.4%。上半期末時点で、銀泰百貨は23店の百貨店を保有し、総面積は89.8万平米です。そのうち、16店は本拠地である浙江省にあり、6店は湖北省に、1店は陝西省にあります。同社も今後5~6年間に店舗数を60店へと拡大する計画があります。その他でも香港市場には百盛商業(03368)、茂業国際(00848)、新世界百貨中国(00825)といった大手百貨店銘柄が上場しています。