【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,823.92 △185.28 (12/1)
NASDAQ: 12,355.11 △156.37 (12/1)
1.概況
米国市場は新型コロナウイルスワクチンの接種が月内にも開始されるとの期待から反発し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は158ドル高でスタートするとまもなくして444ドル高の30,083ドルまで上昇し先月24日に付けた史上最高値(30,046ドル)を上回る場面もありましたが、利益確定の売りに押されると昼前には230ドル高程度まで上げ幅を縮めました。その後引けにかけてさらに上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局185ドル高の29,823ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数が40ポイント高の3,662ポイントとなり先月27日に付けた史上最高値(3,638ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も156ポイント高の12,355ポイントとなりこちらも先月27日に付けた史上最高値(12,205ポイント)を上回っています。
2.経済指標等
11月の米ISM製造業景況感指数は57.5と前月から低下し市場予想も下回りました。また、10月の米建設支出も前月比1.3%増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスを除く10業種が上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスが2%近く上昇したほか、金融と情報技術、不動産、素材も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上げました。そのなかでもアップル(AAPL)が3%余り上げたほか、トラベラーズ(TRV)も3%近く上昇しました。インテル(INTC)も2%以上上げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も2%近く上昇しています。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%近く下げ、スリーエム(MMM)も1%を超える下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が3%高となりました。テスラのS&P500株価指数への組み入れを時価総額が大きいため複数回に分けるとの見方があるなかS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが組み入れを1度で実施すると発表したことで買いを集めました。また、半導体株の一角が高く9-11月期の業績見通しを引き上げたマイクロン・テクノロジー(MU)が4%以上上げたうえ、スマホ向け半導体の新製品を発表したクアルコム(QCOM)も3%近く上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い0.92%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。高値警戒感もあるなかで日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)