【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  29,950.44   △470.63  ( 11/16 )
NASDAQ:  11,924.13   △94.84  ( 11/16 )

1.概況

米国市場はバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が開発中の新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で94.5%の有効性が示されたと発表したことからワクチンの普及で経済の正常化が進むとの期待から景気敏感株に買いが入り続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。192ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に460ドル高程度まで上昇したあと午後に入って200ドル近く上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと引けにかけて一段高となり結局470ドル高の29,950ドルと高値圏で取引を終え2月12日に付けた史上最高値(29,551ドル)をおよそ9カ月ぶりに更新しています。また、S&P500株価指数も41ポイント高の3,626ポイントとなり先週末に続いて史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も94ポイント高の11,924ポイントとなっています。

2.経済指標等

11月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数は6.3と前月から低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーが6%を超える上昇となったほか、資本財・サービスと金融、素材も2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が8%余り上昇したほか、シェブロン(CVX)も7%以上上げました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)が4%を超える上昇となり、ダウ(DOW)とハネウェル・インターナショナル(HON)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)とメルク(MRK)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、ワクチン普及による経済正常化への期待から空運株やクルーズ船株が高く、デルタ航空(DAL)とアメリカン航空グループ(AAL)が4%以上上げ、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も5%余り上昇しました。クルーズ船ではカーニバル(CCL)が10%近く上昇し、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も7%近く上げています。さらに配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)が傘下の自動運転開発会社の売却交渉を進めていると伝わったことで3%を上回る上昇となりました。新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で高い有効性が示されたと発表したモデルナも9%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの0.90%となりました。ドル円は104円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の26,000円を上回りそうで、26,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)