先週金曜日の米国株式相場は反発。S&P500が再び最高値を更新した。新型コロナウイルスの感染急増が懸念される一方、ワクチン期待も強く景気敏感株が物色されたほか、小型株で構成するラッセル2000指数も終値ベースの最高値を更新するなど幅広い銘柄に買いが波及した。シカゴの日経平均先物は2万5620円で引けた。週明けの東京市場も反発で始まりそうだ。
問題はその後の持続力。11月に入り日経平均は2日から12日にかけての8連騰で2,500円余りも上げているだけに、さすがに一服となるだろう。とはいえ、さほど過熱感はない。上昇ピッチの速さから移動平均乖離率は拡大しているが、循環物色の相場だったために全面高という状況がすくなく、騰落レシオ(25 日ベース)は「買われすぎ」を示す120%からは遠い水準だ。海外投資家もようやく大幅買い越しに転じたことが確認された。踏みあげられている売り方も多く、下がったところでは押し目買いが入るだろう。今週は値幅の調整よりも日柄調整で2万5000円台をしっかり固める展開か。
この週末は相場にポジティブなニュースが相次いだことも地合いを堅調にするだろう。例えば、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)で、日本から中国に輸出する工業品の関税撤廃率が86%にのぼる見込みとなったことや、製造業の純利益が前年同期比77%増と上期(54%減)から急回復すると日経が報じた。海外からはバイデン次期米大統領は財務長官に連邦準備制度理事会(FRB)前議長のジャネット・イエレン氏の起用を検討しているとのニュースが伝わった。
米国の経済指標は16日に11月ニューヨーク連銀製造業景況指数、17日に10月鉱工業生産、18日に10月住宅着工件数、19日に11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数がある。個別では18日にエヌビディアが決算を発表する。同社の決算発表が、ハイテク・グロース株が巻き戻しに転じるきっかけとなるか注目だ。
国内では、16日に7-9月のGDPが公表される。前回の前期比年率マイナス28.1%に対して、どこまで回復を示せるか。市場の予想は18%増だが、これを上回れば相場の追い風となろう。
今週の予想レンジは2万5100円~ 2万5900 円とする。