東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日続落となりました。日経平均は11円安の23,320円で寄り付くと下げ幅を広げ10時30分過ぎに213円安の23,118円まで下落し185円安で前場を終えました。154円安の23,177円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎから一段安になると節目の23,000円を割り込んで14時40分に383円安の22,948円まで下落し本日の安値を付けました。その後23,000円を回復する場面もあった日経平均ですが上値は重く引けにかけて再び23,000円を割り込むと結局354円安の22,977円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は3.4%安となっています。
2.個別銘柄等
ファナック(6954)が3.2%高となり年初来高値を更新しました。昨日の引け後に発表した上期決算で中国を中心に工場自動化に伴うロボット製品の受注回復が鮮明になっていることなどから通期の営業利益の見通しを385億円から倍以上の水準となる854億円に大幅に引き上げたことが好感されました。また、同じく通期の営業利益の見通しを上方修正したセイコーエプソン(6724)やアドバンテスト(6857)も買いを集め、セイコーエプソンが6.8%高、アドバンテストが9.2%高となっています。また、パナソニック(6752)も4.9%高となりました。昨日の引け後に発表した決算で上期の営業利益は前年同期比で3割を超す大幅な減益となりましたが、市場予想を大きく上回ったことで買われました。島忠(8184)も9.3%高となり年初来高値を更新しました。ニトリホールディングス(9843)が島忠をTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化すると発表したことで買い付け価格の5,500円にサヤ寄せする格好で上昇しました。
一方で京セラ(6971)が9.9%安となりました。昨日の引け後に発表した決算で上期の営業利益が前年同期比で6割余りの大幅減益となり市場予想も下回ったことで売りがかさみました。NEC(6701)も上期の営業利益が前年同期比で6割近い減益となり市場予想も下回ったことで4.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は354円安となりました。日経平均は一昨日に25日移動平均線を割り込んだものの米国市場が大幅安となるなかでも下げ渋り底堅さをみせていましたが、本日は時間外で米株価指数先物が大きく下落していることもあって後場に一段安となり一目均衡表の雲の上限(23,199円)も下回ってしまいました。さらに節目の23,000円も割り込んだこともあって下値不安が一段と意識されそうですが、そうしたなかで薄めの一目均衡表の雲をどちらに抜けるのかがポイントとなりそうです。
なお、本日は決算発表の集中日で本日も引け後にZホールディングス(4689)やTDK(6762)、村田製作所(6981)、日本航空(9201)、KDDI(9433)などが決算を発表するほか、30日の米国でもエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)などが決算を発表する予定です。また、9月の米個人所得・個人消費支出(PCE)や10月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)、10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値などの発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)