IMF(国際通貨基金)は10月13日、2020年の世界経済見通しを6月改定値の前年比-5.2%から同-4.4%見通しに上方修正しました。中国経済の成長回復が想定以上に強いことが要因であり、当面は中国頼みとなるのでしょうか。
一方、今週財務省が発表した貿易統計でも、中国向けの輸出は9月単月で14%と3ヶ月連続で増加し、中国の回復は嘘ではなさそうです。ラジオ出演でご一緒させていただく経営者に聞いても、コロナ後の中国は回復が早く、現在も同じ状況だということです。
決算発表で先陣を切った安川電機は中国向けの一部で伸長しており、株価は決算発表直後こそ材料出尽くしで売り込まれましたが、比較的底堅く推移しています。例えば、最近では、村田製作所やTDK、日東電工、日本電産などが高値更新基調にあり、これらの共通点として中国での売上比率が高いことが挙げられます。
そのほか、従来から中国関連としてイメージが強い、ファーストリテイリングやピジョン、ユニ・チャームの株価も強いです。米国株が下げても日本株が底堅いのは、中国の回復が背景にあるようです。
来週から本格化する決算発表では、中国事業の伸びが株価動向のカギとなる可能性が高いと思われます。今のうちに売上に占める中国比率が高い企業群を選別し、決算発表前に仕込む戦略も有効かもしれません。
最後に、投資教育の観点から、今週末に開催される無料セミナーをご紹介します。世界のテクニカルアナリストが集う、IFTA(国際テクニカルアナリスト連盟)大会が今年はオンラインで開催されます。
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