世の中には一部で悪徳な投資話が出回っています。
典型例は、「必ず儲かる」そんなうまい話はないとわかっていたはずなのに、巧みな勧誘であたかも本当に儲かるように思わされ、つい手を出してしまうというパターン。改めて、気をつけたいものです。
あり得ないほどうまい話は、収入の高い人、退職金を手にしたばかりの定年退職者、生命保険金を受け取った人などをターゲットとして持ちかけられるようです。
その内容は、これから上場したら必ず儲けられるという「未公開株」や実態のない会社の「社債」を売りつける、国内では換金ができない「外国通貨」を購入させるといったもの。他にも、実態のない事業への出資を勧める、「市場に出回る前の新しい仮想通貨を持てばこの先大きく儲けられる」、「SNSの広告権を買えば資産を増やせる」と言って騙すなど、多岐にわたっています。
自分で投資に取り組もうとしても、忙しい、よくわからないなど、様々な理由で「上手い儲け話」を魅力的に感じてしまうかもしれません。ですが、そこで一歩立ち止まって「そもそも、なぜそのような上手い儲け話が自分に来たのか」ということも考えてみると良いでしょう。
今回は投資詐欺の被害に遭わないために、知っていただきたい3つのポイントをお伝えします。
高利回りや元本保証が約束されている投資はない
利回りは事業の成績、事業で得た利益により決まります。ですから、まず「○%の利益を保証します」ということは信じがたいことです。投資詐欺の場合、「今の安いうちにこの事業の株を安く手に入れておけば、上場すると30%以上、いや100%、200%の利益になる」などと、通常では考えがたい利益が得られることを匂わせてきます。
通常の投資では、投資信託やREIT(不動産投資信託)で年間3〜5%ほどの利回りとなる場合が多く、不動産投資の場合ではリスクの低いもので年間の利回りが3%ほどです。悪質な投資話では、かなり高い利回りが謳われていることがわかるでしょう。
また、「リスク」という点も注目してほしいところです。投資におけるリスクは、価格が高くなったり低くなったり変動する不確実性のことを言います。これがあるため、リターン(収益)も期待できるのです。
リスクとリターンは基本、連動しており、「ローリスク、ローリターン」「ハイリスク、ハイリターン」であり「ローリスク、ハイリターン」はあり得ないと思って良いでしょう。
上場すると株価が上がり儲けられるという話で、なおかつ「元本保証です」などと、夢のような話がされる場合があります。「儲けられるのに元本保証される、しかもその投資は「今しか」買えなくて「あなただけ」にこの美味しい話をしている」となれば、それはもう間違いなく投資詐欺と思って良いでしょう。
リターンがあるのに元本保証でリスクなし、そんな投資はあり得ません。美味しい話は話をしている人が独り占めした方が、よほど利益は上がるはずです。これらは、投資したいあなたの購買意欲を掻き立てるための言葉です。
そして、美味しい話に乗ってお金を渡したが最後、その後連絡が取れなくなることも多いのです。
「海外投資」や「聞いたことがない投資」は、まず疑う
詐欺の1つとして、「国内では買えないお得な金融商品が買えます」というものがあります。海外の商品だから質がいい、リターンがいいという根拠のない話をしてきます。また、よくわからない投資商品を「金融庁に届出している」と言って、売りつけようとするパターンもあります。
まず、海外の金融商品だからリターンが良い、海外の市場だからリターンが良いということはありません。日本の金融機関でも、安全な形で海外に投資することは可能です。勧められて買うよりも、自分で調べ、購入する方が賢明でしょう。
聞いたことがない投資についても同じです。自分で調べてみる。金融庁に届けていると言っていたはずなのに、実際は無登録業者だったということもあるのです。
理解ができない仕組みの投資や、少しでも疑問に思うような投資話には乗らないことが大切です。
投資の勧誘を受けたら、まず裏をとる
投資詐欺の情報を聞いていても、実際うまい話が回ってくると「本当に儲けられるのではないか」という気持ちが芽生えてしまうこともあるでしょう。その気持ちを上手に操るのが詐欺の手口ですから、気持ちはわからなくありません。
ですが、そこで二つ返事をするのではなく、万が一を考えて「裏」を自分で取ることが大切です。今、なぜこのような商品があるのか、どのような仕組みで儲けられるのか、実際あり得ることなのか疑ってみるのです。
例えば不動産投資の勧誘を受け、節税対策になるなどと聞いたのなら、その節税が本当に節税になるものなのか、自分で調べてみるのです。信頼できる税理士に聞いたりしてみても良いでしょう。その上で、納得がいかない、理解できないものは怪しい投資であって、騙される可能性が高いものと判断して良いでしょう。
投資詐欺に遭いやすい人は、儲け話に関して他力本願であったり、勧誘されるとよく調べずに鵜呑みにしてしまったりという傾向が見られるようです。
自分も詐欺に遭うかもしれないということを頭の片隅に入れておいていただけたらと思います。