東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇しました。日経平均は123円高の23,261円で寄り付くと取引開始から10分余りで149円高の23,287円まで上昇しましたが上げ幅を縮め70円高の23,208円で前場を終えました。後場の日経平均は44円高の23,182円でスタートすると12時40分過ぎに32円高の23,170円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直し上げ幅を三桁に広げると引け間際には118円高の23,256円まで戻し結局109円高の23,247円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となりました。また、本日も薄商いで東証1部の売買代金は1兆8785億円となっています。
2.個別銘柄等
アップル(AAPL)が今秋に発売するiPhoneを少なくとも7500万台以上生産するように部品メーカーに依頼したと伝わり昨日の米国市場で上場来高値を更新するなか日本市場ではアップルに部品を供給する銘柄に上昇するものがみられました。村田製作所(6981)が3.8%高となったほか、太陽誘電(6976)が2.9%高、TDK(6762)が2.5%高となっています。
また、昨日の米国市場で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が3%以上上げ上場来高値を更新するなど半導体株が買われ主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%近く上昇したことを受けて日本市場では半導体製造装置関連株が買われました。なかでもSCREENホールディングス(7735)の上昇が目立ち3.3%高となっています。
さらに昨日の米国市場で決算が市場予想を大幅に上回ったことでビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が急騰した流れを受けて日本市場ではWeb会議システムを手掛けるブイキューブ(3681)が買われ11.5%高となっています。
一方で日経平均採用銘柄から除外されることになった日本化薬(4272)が9.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は109円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が215ドル高となり、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことを受けて買いが優勢となりました。しかし、先月25日に付けた高値(23,296円)を前に上値が伸び悩みました。明日以降も上昇する場面では引き続き25日の高値が意識されそうですが、週末に米雇用統計の発表を控え様子見になりやすいなかで上値を切り上げるような展開がみられるかが引き続きポイントとなりそうです。
なお、本日は日本時間の21時15分に米雇用統計の先行指標ともいえる8月の米ADP全米雇用リポートが発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)