東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて3日続伸となりました。日経平均は279円高の23,123円と節目の23,000円を上回って寄り付き9時40分過ぎに440円高程度まで上昇した後10時ごろに一旦320円高程度まで上げ幅を縮める場面もありましたが、持ち直すと前引け間際に449円高の23,293円まで上昇し428円高で前場を終えました。

432円高でスタートし13時40分に472円高の23,316円まで上昇し本日の高値を付けた後場の日経平均は、その後やや上げ幅を縮めたものの高値圏で堅調に推移すると結局405円高の23,249円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数が3日ぶりに反発したほか、日経ジャスダック平均も3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

昨日の取引終了後に2021年3月期の第1四半期決算を発表したパーソルホールディングス(2181)が6.4%高となりました。第1四半期の営業利益は減益となったものの市場予想を大きく上回ったことで買いを集めました。

また、太平洋セメント(5233)とサンドラッグ(9989)も第1四半期の営業利益が二桁の増益となったことで大幅高となり、太平洋セメントが3.2%高、サンドラッグが5.2%高となりました。さらにトレンドマイクロ(4704)が2020年12月期上期の営業利益が1割近い増益となったことで5.2%高となったほか、住友林業(1911)と大幸薬品(4574)は2020年12月期の業績予想を上方修正したことで急伸し住友林業が15.8%高、大幸薬品も9.4%高となりました。

一方で第1四半期の事業利益が赤字となり、これまで未定としていた2021年3月期通期の事業利益が1000億円の赤字となる見通しと発表したことでJFEホールディングス(5411)が3.7%安となりました。横川電機(6841)も通期の営業利益が大幅な減益との見通しを発表したことで6.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は新型コロナウイルスワクチンの実用化への期待で昨日の米国市場が大きく上げたことで大幅続伸となりました。日経平均は節目の23,000円を6月10日以来およそ2カ月ぶりに回復し、6月に付けた戻り高値(23,178円)も上回りました。1カ月以上続いてきた25日移動平均線を挟んで揉み合う展開から上に放れたとみられることで今後の相場展開に期待が高まります。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後には富士フイルムホールディングス(4901)などが決算を発表するほか、今晩の米国では半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )