7月最終日の日経平均は大陰線を形成

日経平均は先週、25日移動平均線(22,486円 7月31日)や200日移動平均線(21,954円 同)を割り込みました。7月31日に形成した大陰線は6月15日に形成した大陰線と同様、ほぼ同じ水準で同じパターンの動きとなっています。

当時は下方で上昇中だった25日移動平均線がサポートになりましたが、今回は下方で上昇中の75日移動平均線(21,480円 同)がサポートになるかが焦点となります。

9月は4年連続での上放れなるか?

さて、8月相場入りとなりました。2010年~2019年までの10年間で、日経平均の月足ローソク足が陽線(月初よりも月末の方が高い)だったのは3回のみ。あとはすべて陰線(月初よりも月末の方が安い)でした。陽線だった3回に関しても、直近のレンジ内で形成したもので、上昇相場を推進するような動きではありませんでした。

ただ、面白いのは、2017年~2019年までの3年間は8月までの値固めを経て、9月頃から上に放れる展開が続いてきた点です。そういった意味では、7月31日に形成した大陰線はもみ合いが長引くことを示唆している可能性を高めるものではありますが、8月相場がもみ合い最終局面とすると、9月は4年連続での上放れのシナリオも十分考えられます。

8月中に底打ちするかが見どころ

一方、 過去8月に事象面で市場へ大きな影響を与えたのは、地政学リスクに加え、アジア通貨危機、パリバショック、中国人民元切り下げ、米国債の格下げショックなどがありました。2020年は総領事館の閉鎖に関して米中関係が悪化する中、南シナ海をめぐって米中の軍事的緊張が高まっている点には留意が必要です。

物色面では、7月前半はグロース株とバリュー株が交互に買われ、指数は値を保っていましたが、足元は「都市封鎖」を警戒して双方に買いが続かない状況にあります。バリューでも需給悪のJR株や空運株などが下げ止まらず、雰囲気を悪化させています。

かなり下落幅が大きくなっていることから、そろそろ押し目処が気になりますが、短期的には日経平均が200日移動平均線付近をサポートに値固めする間、8月に底打ちまで辿り着けるかが見どころになるとみています。