英ポンドよりよく動く豪ドル

今年の豪ドルはよく動く。たとえば、豪ドル/円の月間変動率(月間高値/月間安値)を見ると、7月までに5%未満にとどまったのは1回(7月)しかなかった。ちなみに一般的に「よく動く」印象のありそうな英ポンド/円は、7月までに4回変動率が5%未満となっていた。

なぜ今年の豪ドルはよく動くのか。一つ考えられるのは原油相場の乱高下の影響だ。代表的な資源国通貨とされる豪ドルだけに、原油相場などコモディティー相場との相関性が高い。原油相場は、WTIが歴史的なマイナス価格を記録するといった大暴落が起こり、その後は40ドル以上に急反発するなど激しい値動きが続いており、その影響を受けている可能性は考えられる。

それにしても、かりにこの8月の豪ドル/円変動率も5%以上に拡大するなら、それがこの間の高値を超えられず下落方向に向かう場合は73円前後へ、逆に75円がサポートされたまま上昇方向へ向かうなら一気に79円を目指すといった計算になる。

同じ考え方を、豪ドル/米ドルに当てはめて計算すると、下落方向なら0.69ドル割れのリスクがあり、逆に0.7ドルを割れずに続伸となった場合は、一気に0.74ドルを目指す可能性もありそうだ。