【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26,075.30 △369.21 (7/10)
NASDAQ: 10,617.44 △69.69 (7/10)
1.概況
先週末の米国市場は新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの研究開発の進展を示す発表や報道が相次いだことで上昇しました。15ドル安で寄り付いたダウ平均は前日終値を挟んで小幅に揉み合うスタートとなりましたが、まもなくして買いが優勢になるとその後は一日を通して大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に395ドル高まで買われたダウ平均は結局369ドル高の26,075ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も69ポイント高の10,617ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げました。そのなかでも金融とエネルギーが3%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと公益事業、生活必需品も2%近く上げています。一方でヘルスケアと情報技術の2業種が下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもJPモルガン・チェース(JPM)が5%以上上げたほか、ゴールドマン・サックス(GS)も4%を上回る上昇となりました。一方でマイクロソフト(MSFT)とシスコシステムズ(CSCO)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の3銘柄が小幅に下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では電気自動車のテスラ(TSLA)が11%近く上げ上場来高値を更新したうえ、目標株価の引き上げを受けて動画配信のネットフリックス(NFLX)も8%余り上昇し上場来高値を付けています。さらに新型コロナウイルス治療薬のレムデシビルを重症のコロナ患者に投与した臨床試験で死亡率が大幅に低下したと発表したバイオ製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)が2%余り上げています。この発表やワクチンが年内に承認申請される見通しが示されたことを受けてクルーズ船のカーニバル(CCL)やロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が高く、カーニバルが4%以上上げ、ロイヤル・カリビアン・クルーズは10%近く上昇しました。空運株も高くユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が8%以上上昇し、アメリカン航空グループ(AAL)も7%近く上げました。デルタ航空(DAL)も5%以上上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い0.65%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受け大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)