米ドル/円 日足
週間予想レンジ:107.20~109.20
メインストラテジー:押し目買い
・「リスクオフの円買い」は過去の話
・主導性なき円、外貨次第の傾向を強める
・強気構造維持でも当面は「コップの中」
アナリシス:
先週続伸、保ち合いの継続を示唆。小幅に留まっているものの、先々週の値動きを継承という意味合いでは内部構造を証左、強気変動の維持につながる。
もっとも、先々週の陽線、一旦106円関門直前までトライ、その後一転して切り返し、「スパイクロー」の形を示し、5月安値に迫ったから、「フォールス・ブレイクアウト」の可能性を示唆していた。先週の続伸、安値トライ自体が「ダマシ」であったことを示し、地合いの好転をもたらす。
既述のように、5月安値へ迫ったこと自体が一種の「振り落とし」と見なされ、その役割が果たされた以上、今週も続伸しやすいと推測される。日足では、7月1日の大陰線が「弱気アウトサイド」のサインを点灯。上値を一旦抑えていたが、途中のスピード調整という視点では、むしろ健在な値動きで、これから同日高値の108.17円をトライ、またブレイクを果たすだろう。
6月23日の大陰線、前の罫線に対して「アウトサイド」、後ろの罫線に対して「インサイド」のサインを点灯してから上放れ、底打ちのサインとして確認できたところは大きい。同サインの確認で先週の堅調をもたらしたことから、効き目はこれからも維持されるであろう。6月5日高値109.86円への戻りが想定され、3月高値を起点とした調整波自体の制限に繋がるといった見通しは不変。
中期スパンでは、一旦4月高値を更新していただけに、再度5月安値をトライしたものの、割らずに切り返しを果たしているので、その意味合いを軽視できない。底固めの蓋然性を重視すれば、3月安値を起点とした上昇波動が継続され、調整子波自体の構造も維持されるので、中段保ち合いを経て早晩再度110円大台をトライし、新しい段階入りを示唆。3月高値から5月安値まで形成された大きな「下落ウェッジ」の一段確認で得られた戻りの余地である。テクニカルの視点では、3月高値111.72円の回復が視野に入る。
短期スパンに限って、切り返しの継続を有力視するものの、なお「コップの中」。すなわち値幅限定の公算が高い。何しろ、米ドル全体の値動きと高い相関性を保つなら、ドルインデックスの底打ちを確認していないうち、対円のみの上値トライが想定されにくい。とはいえ、ドルインデックスの反落に比べ、米ドル/円における3月高値を起点とした反落幅が限定的。また5月安値を割らずに済むこと自体が大きなサインと見なされ、所謂「リスクオフの円高」はもう過去の話。主導性なき円の値動きは米ドル次第というか、クロス円を含め、外貨次第の傾向が強まりつつある。
目先のサインとして、やはり6月23日大陰線が示した「倍返し」のターゲットである108.40円前後の打診が注目される。前記7月1日高値を超えているだけに、108円前半の打診があれば、値幅限定であっても今週底固い推移に留まるだろう。更に6月23日高値107円前半が一転して支持ゾーンとして意識されやすく、引き続き押し目買いのスタンスで臨みたい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:74.50~76.50
メインストラテジー:押し目買い
・高値圏での保ち合い自体、強気志向を示唆
・調整完了でブルトレンドを維持、上値志向を強める
・豪ドル/米ドルの堅調に依存、主導性なき円は二の次
アナリシス:
先週続伸、先々週の小幅切り返しを継承した形で、先々週の底打ちを示唆。既述のように、高値圏における保ち合いの一環という位置付けであったが、調整波完成の証拠として強気のサインと解釈できる。
そもそも反落自体を調整波との位置付けは、3月安値からほぼ一直線に急伸してきただけに、何らかの形でスピード調整の先行が想定されたため、6月前半における反落に関する基本的な見方は変わらない。先週続伸したものの、値幅はなお限定的だったことに鑑み、本格的なブレイクはこれからだとみる。
スピード調整の一環として短期スパンにおける調整波継続の有無がもっとも重要な課題だったことも、先週続伸の意味合いは同課題の解決にあると思う。つまり調整波が完成され、先々週からすでに上昇波に復帰しており、これから上値トライしやすい環境になるであろう。
200日線との乖離は、先々週の切り返しで同線の打診や一時割り込みを回避できたと見なし、同回避によって調整波の値幅も従来の想定より小さいと推測されたことも正解であった。
肝心のところ、コロナショックで3月19日まで大きく続落、一時60円の心理大台を割り込んだこと自体が豪ドル安のクライマックスだったこと、また年初来高値を一旦更新したことに鑑み、切り返し自体はもはや調整波ではなく、推進波として数える。故に、途中のスピード調整があったとしても、ブル基調を維持できる見方を維持できる。
その理屈はコロナショックと相まって、恐怖のドル買いやドル・クランチの進行で豪ドルは資源国通貨として売られやすい側面が大きかった。従って、76円台後半までの急伸で売られすぎに対する修正は完全に果たし、2019年年末の高値更新やブレイクは証左のサインと見なせる。
すなわち、3月安値を起点とした上昇波はメイン変動と見なし、すでに新たな段階に入ったため、先週の続伸をもって先々週安値72.67円から新たな上昇子波の進行として位置付けられる。これから6月高値の再打診につながるだろう。
6月第一週の大陽線から、値幅が逓減する形で先週まで続き、大きな「インサイド」のサインを点灯していることは先週と変わらず、なお重要である。6月16日高値75.11円の打診があれば、6月高値76.81円のトライにつながり、その後上放れを果たせば、80円心理大台の打診に繋がるだろう。この視点において、今週も上昇モメンタムの加速や値幅の拡大を覚悟しておきたい。
豪ドル対米ドルのV字型反騰と同様、株式市場のパフォーマンスや市場心理に依存する側面も大きく、場合によっては変動幅の一段拡大も覚悟していた。しかし、株式の調整傾向に伴う米ドル買いの動き、豪ドル売りをもたらした。それはむしろ、豪ドルの堅調が目立つほどだったことも、先週一段と確認された。
従って、米ドル全体がなお下値トライの余地を示しているなか、今週豪ドル/米ドルと連動した上値トライが有力視される。「押し目待ちに押し目なし」のリスクさえありうると思う。