金利差で考える豪ドル

豪ドルは、過去3ヶ月で対円、米ドルでともに最大3割近くと大きく上昇した。ただし、金利差との関係で見ると、両者の状況はかなり異なる。

具体的には、米豪金利差においての米ドル優位は、3ヶ月前に比べて大きく縮小し、その意味では3ヶ月前に比べて大幅に豪ドル高・米ドル安となった動きを正当化できるといえなくない(図表1参照)。

【図表1】豪ドル/米ドルと米豪金利差(2019年7月~)
出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

一方で日豪金利差のおいての豪ドル優位は、3ヶ月前から大きな変化はない(図表2参照)。それどころか、年初の水準から比べると、金利差において豪ドル優位はむしろ縮小しており、その意味では年初の水準まで豪ドル高・円安に戻した動きは、金利差では説明できない。

【図表2】豪ドル/円の日豪金利差(2019年7月~)
出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

以上のように、為替相場の値動きで見ると、3月にかけて大きく下落したものの、足元にかけて年初の水準まで戻すといった具合に、大まかにみるとほぼ似た動きを続けている豪ドル/円、豪ドル/米ドルながら、金利差との関係は大きく異なる。これが今後どのように影響してくるかは、少し気になるところではある。