東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて反発しました。日経平均は198円高の22,636円で寄り付くと取引開始から20分余りで237円高の22,675円まで上昇しましたが、米中関係の悪化を警戒した売りで10時ごろから上げ幅を縮めると10時15分過ぎに下落に転じ10時30分には180円安の22,257円まで下落しました。しかし、米中関係の悪化への懸念が後退したことで持ち直すと11時前に再びプラスとなり前場を184円高の22,621円で終えました。さらに上げ幅を広げ244円高でスタートした後場は後場寄り直後に256円高の22,693円まで上昇し本日の高値を付けました。その後しばらく高値圏で推移した日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局111円高の22,549円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が6日ぶりに反落となった一方で、日経ジャスダック平均は6日続伸となっています。
2.個別銘柄等
デンソー(6902)が4.2%高となりました。中国政府がハイブリッド車を低燃費車と位置づけて優遇する政策を最終的に決めたと報じられたことでハイブリッド車製品に強みを持つデンソーが買われました。また、オリエンタルランド(4661)が東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを7月1日から再開すると発表したことで3.2%高となりました。さらに西松屋チェーン(7545)も6月の既存店売上高が前年同月比33.8%増と大きく伸びたことで8.6%高となり年初来高値を更新しました。タマホーム(1419)も2020年5月期の業績予想を主力事業である注文住宅事業において戦略商品である地域限定商品の利益率改善が計画を上回って推移したことなどから上方修正したことで7.4%高となっています。
一方で昨日の取引終了後に2020年5月期の決算を発表したツルハホールディングス(3391)が2021年5月の営業利益がほぼ横ばいの452億円に止まるとの見通しを発表したことで2.8%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。そして先週末と昨日に取引時間中に上回りながら引けで超えられなかった節目の22,500円を本日は上回って引けました。ナバロ大統領補佐官が中国との通商協議は終わったと発言したと伝わり米中関係の悪化を警戒した売りで下落に転じ一時は22,500円を割り込みましたが、トランプ米大統領の米中貿易合意は完全に無傷だとのツイートを受けて持ち直すと22,500円を上回って引けました。本日も先週末や昨日同様に22,500円を下回って終わると上値の重さが一段と意識されたと思われます。しかし、そうはならず22,500円を上回って終えたことで明日以降の展開に期待が持てそうです。なお、今晩の米国では6月の米PMI速報値や5月の米新築住宅販売件数の発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)