東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は続落となりました。日経平均は91円安の22,363円で寄り付くとしばらく22,300円台で推移していましたが、10時20分ごろから急速に下げ幅を広げ10時40分前には330円安の22,125円まで下落しました。226円安で前場を終えた日経平均は下げ幅を縮め128円安の22,327円で後場をスタートさせるとさらに持ち直し13時前に23円安の22,432円まで下げ幅を縮めました。しかし、戻し切れず13時30分過ぎに144円安まで再び下げ幅を広げた日経平均は結局100円安の22,355円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続伸となっています。
2.個別銘柄等
任天堂(7974)が2.8%高の50,110円となり2008年9月以来およそ11年8カ月ぶりに50,000円台を回復しました。昨日の夜にユーチューブでポケモン新作発表会を開催しポケモン関連の新ゲームを複数発表したことで新作ゲームへの期待が高まり買いを集めました。また、昨日はミクシィ(2121)が上場市場を東証マザーズから東証1部への変更が発表されたことで10%を超える上昇となりましたが、本日は都築電気(8157)が東証2部から24日付で東証1部に市場を変更すると東京証券取引所が発表したことで一時ストップ高となりました。引けは22.5%高となっています。また、新型コロナウイルスワクチンの治験を30日から始めることが明らかとなり昨日に大幅高となったアンジェス(4563)も本日大きく上げました。ワクチンの開発プロジェクトに塩野義製薬(4507)の生産子会社が参加すると発表したことでワクチン製造への期待が高まり7.4%高となりました。
一方で昨日の取引終了後に決算を発表したNTN(6472)が5.9%安となりました。2020年3月期の最終損益が米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大の影響などにより自動車や産業機械向けなどの製品の生産が落ち込んだことから440億円の大幅な赤字となったことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は円高を受けて続落となりました。一昨日に1,000円以上上げ急伸した後だけに一旦は売りが出やすいともいえます。ただ、一時は米株価指数先物が時間外で下げ幅を広げたこともあって330円安まで下落しながらも後場に持ち直し引けは100円安に止まりました。昨日に続いて本日も下げ渋り底堅さは維持しています。次の展開に向けて小休止といった印象です。なお、今晩の米国では米新規失業保険申請件数や米フィラデルフィア連銀製造業景況指数の発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)