ついに3月の窓を埋める

日経平均株価は、3月に安値をつけたあと、戻りが続いています。

では、5月11日以降、5月19日までの期間にかけて株価はどのように動いたのか、また窓は埋まったのか、新たに発生したのかなど、チェックしていきたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

前回のコラムは、「2019年8月に、20,200円台から20,700円台までの狭いレンジでのもち合いが続きましたが、5月12日現在では、ちょうどそのレンジ内に入っているのが分かります。そのため、このまま株価の反発が継続するのかが注目ポイントになりそうです。仮にこのまま株価が上昇するようですと、3月6日と9日にあいた窓を埋めることに加え、下向きの75日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが視野に入りそうです」としました。

その後、5月14日に5日移動平均線を割り込んだところで、5月8日と11日のあいだにあけた窓を埋め、5日移動平均線を割り込む場面がありました。

ただ割り込んだものの売り込む動きは見られず、上向きの25日移動平均線がサポートになって持ち直すと、5月19日には窓をあけて大きく上昇して始まり、下向きの75日移動平均線に接近すると同時に取引時間中に上回る場面がありました。

またこの上昇によって、ついに3月6日と9日にあけた窓を埋めており、前回指摘した通りの展開となっているのが分かります。

新たな窓が発生

このように、5月19日に大きな窓が発生したことによって75日移動平均線に接近して一時上回ったわけですが、押し返されて上ヒゲ陰線を形成して終えています。では、この窓の種類は何になるのでしょうか。

株価水準は切り上げているわけですが、過去の値幅の範囲内ですのでコモンギャップ(=普通の窓)と考えられます。そのため、このまま75日移動平均線を維持できないようですと再び埋められてしまうことが視野に入るのではないでしょうか。

では、そうならないためにはどのような状況になる必要があるのかと言いますと、みなさんお分かりだと思いますが、75日移動平均線上を維持する必要があるのです。

下向きの75日移動平均線上を突破して維持できるかがカギ

75日移動平均線は下向きですが、仮に下向きの75日移動平均線上を維持できれば、5日移動平均線や25日移動平均線が上昇してきます。それと同時に、75日移動平均線を5日移動平均線から順番に上回ることが考えられます。

そうなれば、5日移動平均線や25日移動平均線がサポートになって、株価水準を維持すると同時に水準の切り上げが続いて21,000円台に到達することも期待されるのではないかと思われます。

一方で、75日移動平均線上を維持できずに押し返され、窓を埋めるような展開になりますと、5日移動平均線や25日移動平均線を割り込んで、下落基調に変化したりすることが考えられますので、その場合には売り時を逃さないよう注意したいところです。