小さな窓が複数発生して株価水準を切り上げ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言が5月31日まで延長になるなど、経済活動がほぼ停止した状態が続いています。
ただ、そうしたなかではあるものの株価の反発が続いています。そこで、今回も日経平均のチャートを見ながら過去に発生した窓の種類などを確認しつつ、今後の動向について考えてみたいと思います。
前回から3週間が過ぎましたが、株価の反発が続いているのが分かります。また、新たに小さな窓が4月22日から5月12日までのあいだに4つ発生したまま埋まっておらず、今後これらの窓を埋めることになるのかが注目されます。
そこでまず、株価の戻っている水準から確認したいと思います。株価の水準を見ますと、2019年8月に、20,200円台から20,700円台までの狭いレンジでのもち合いが続きましたが、5月12日現在では、ちょうどそのレンジ内に入っているのが分かります。
下向きの75日移動平均線を突破して維持できるか
そのため、このまま株価の反発が継続するのかが注目ポイントになりそうです。仮にこのまま株価が上昇するようですと、3月6日と9日にあいた窓を埋めることに加え、下向きの75日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが視野に入りそうです。
一方で、窓を埋めたあと下向きの75日移動平均線上を維持できないようですと、そのまま押し返される心配が出てくるのではないかと思われます。
なぜなら、4月22日から5月12日までのあいだにあけた窓は、過去の値幅の範囲内で発生していることからコモンギャップ(普通の窓)と考えられ、埋める可能性が高まるからです。
そこで、その窓埋めのきっかけになりそうなのが、5日移動平均線上を維持できるかです。過去に何度も「5日移動平均線上を維持できるかがカギ」としてきましたが、3月6日と9日のあいだの窓を埋めても埋めることができなくても、5日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化したときは、5月12日終値の下に位置している窓を埋めることが考えられますので注意したいところです。