【図表1】一目均衡表ドル/円日足
出所:筆者作成(2020年4月21日)

前回コメントでは、方向性が明確化するとは考えにくいものの、4月24日には2月20日から4月1日までの大きな騰落の影響を脱するだろうと述べました。

重視した4月9日変化日を中心とすれば、4月6日から4日、5日の時間関係で4月15日まで下げましたが、4月1日安値割れとはならずに4月21日現在まで大きく動かない状態が続いています。

4月24日は3月24日を中心として24日、24日、4月1日を中心として18日、18日、更に4月15日を中心として8日、8日の時間関係となります。これは相場水準の観点からも大事です。

2018年11月12日高値から昨年8月2日(この実線と交わる遅行スパンは106.916円)まで188日間に対し昨年8月2日から4月24日まで188日、直近4月1日安値106.917円、4月15日安値106.927円はまさにこの水準となります。

このまま動かなければ日足転換線は4月24日まで受動的に下げ続け、相場実線との反応を試されることになりますから、この点でも4月24日からの騰落は非常に大事な意味を持つと言えるでしょう。

問題は二点あります。

一つは2月20日から現在まで高値切り下げ、安値切り上げの連続でPのP波動を成していること。

二つ目は4月24日を経過したのちの変化日として5月1日(2017年3月10日高値から2018年10月4日高値まで408日、2018年10月4日から408日目の下げ三波動構成変化日)、5月6日(2018年12月13日高値から2019年8月26日安値まで181日に対し2019年8月26日から181日目)が控えていること。

PのP波動に関しては以前触れたことがありますが、放れのポイントからの当落値幅がP波動を構成してきたいずれかの値幅、時間に限定されてしまうことが少なくありません。
2月20日から3月9日まで、あるいは3月9日から3月24日までの値幅、時間を出すようならば4月24日からの放れで上下何れであっても方向性は明確化すると言えますが、3月24日以降の当落値幅、時間はともに充分なものとは言えません。

これらの当落値幅に限定されるケースでは2月20日高値を越えられず、また3月9日も割り込むことはありません。

4月24日から5月1日は6日間、5月6日は9日間とさほど時間が残っていない点も問題です。

5月6日は4月1日から26日目でもあり、4月1日安値を割らなければ5月6日までPのPを連続させる可能性もあります。その場合においては、放れは上下いずれであっても大きなものとなるでしょう。

週足、月足も確認します。

【図表2】一目均衡表ドル/円週足
出所:筆者作成(2020年4月21日)

週足を見れば現在先行スパン下限107.603円水準にあることがわかります。週足基準線106.700円は当面動かず(この水準は昨年6月25日安値、8月2日水準に見合うものとしてよい)、今週受動的に106.455円まで下げた転換線も5月第一週までは動きません。ただし5月第二週、第三週と受動的に上げ確実に相場実線に触れてくることになります。

週足遅行スパンの好転は容易ではありませんが、9週足は現在位置からの上昇では来週陽転することができます。

【図表3】一目均衡表ドル/円月足
出所:筆者作成(2020年4月21日)

月足基準線、転換線ともに受動的には当面動きません。現在位置からの下落では遅行スパンが再び悪化する可能性を孕むだけでなく、9か月足も陰連が続く形となります。

ここまで昨年6月25日安値水準を割れば下げが明確化すると述べてきていますが、それが週足、月足均衡表からも直感的に判断できることがわかるでしょう。

4月24日を前に動き出したとしても4月24日、5月1日、5月9日の重要性は変わりません。放れのポイントを探るには時間足などもご活用ください。

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。