リーマン・ショックを参考にする

「コロナ・ショック」への対策として、FRBによる金融緩和、米ドル資金供給拡大が続いており、それがこの先米ドル安をもたらすとの見方が増えているようだ。では、本当に米ドル安になるとすれば、どんなイメージなのか。

たとえば、最近のような経済危機対策における米国による金融緩和強化の例は、やはり2008年リーマン・ショック前後が参考になりそうだ。ベースマネー、中央銀行の供給する資金は、リーマン破綻となった2008年9月から急増。さらに2009年3月のFRBによるQE、量的緩和開始から一段と増加に拍車がかかった。

こうした中で、米ドルは円とユーロに対して3月のQE開始前後を天井として、その後7~8ヶ月で15~20%の下落となった。以上からの示唆は、「『ドル資金供給拡大=米ドル安』とまでいえるかは微妙だが、その関係(米ドル資金供給拡大=米ドル安)が注目されるようになってからは、半年以上で15~20%の米ドル下落が起こった」ということ。

さて、これを今回に当てはめるなら、「ドル資金供給拡大=米ドル安」の関係が注目されてきたことが重要であり、それは過去の経験を参考にしたら、年末にかけて1米ドル=90円割れを目指す動きに向かう可能性があるのかもしれない。