一段高で「N字パターン」となるか
日経平均は19,500円処に差し掛かり、反発局面における最初の正念場を迎えました。先週、1,500円超も上昇していることで目先の高値警戒感はありますが、3月25日の戻り高値(19,564円)を超えて一段高となるかが重要なポイントとなります。
もし上回れば、下値を切り上げるN字パターンになり、3月の直近最安値に対する底割れ懸念が一段と遠のく格好となるからです。アメリカのNYダウ平均や国内でもマザーズ指数などは当時の戻り高値を既に上回っており、追随するような動きは十分に考えられます。
一方、日経平均は25日移動平均線(18,452円 4月13日)が依然として下落基調にあるため、それが上値を重くしている要因です。25日前の応当日株価は来週にかけて下げが続くため、25日移動平均線の傾きは下落から上昇に転じることが予想されます。
ただし、それまでに米国株、特に、NYダウ平均が半値戻し(23,890ドル)の達成から反落調整に入る場合、せっかくもう少しで25日移動平均線が上向くかという時に、下方向に引っ張る力の方がより強くなり、もう一度下に「ズドン」と押しを入れかねない状況でもあります。
米国株の動向が短期的な方向感の決め手に
日本政府による緊急事態宣言や緊急経済対策(事業規模108.2兆円)の下支え効果や、中国共産党の中央政治局が長期的な新型コロナウイルス感染対策と全面的な生産再開を指示したと伝えられたことにより、経済活動の正常化への期待が高まっています。
ただ、それよりも米国株の動向に左右される面が多い点は否めません。アメリカでは今週からJPモルガン、ジョンソン・エンド・ジョンソン(4月14日)、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス・グループ、ユナイテッドヘルス・グループ(4月15日)など、主力企業が決算発表を予定しており、反発基調を強める米国株の反応や、日本時間早朝のダウ先物の動向などが短期的な方向感の決め手となります。
NYダウ平均は半値戻しよりも重要な水準があります。それは、2月28日の安値であり、昨年6月3日安値である、24,680ドル付近です。この先、日本株を含めた世界の株式市場の短期的な動向は、連休明けのダウ平均が半値戻りを超えたとしても、24,680ドル前後をどのように意識するかがポイントです。
そこから再び調整に転じる可能性も高いため、影響を受けうる日本株の押し目買いは、少し距離を置いて様子を見る必要がある局面とみています。
※本レポートは4月13日の引け後に作成しています。