東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は小幅反落となりました。22円高と小幅に上昇してスタートした日経平均ですが直ぐに下落に転じると取引開始から30分弱で123円安の19,229円まで売られました。その後日経平均は下げ幅を縮めたものの、昨日の終値近辺で上値は重く小幅安で推移すると前場を84円安の19,268円で終えました。98円安でスタートした後場の日経平均もおおむね小幅安で推移しましたが、13時20分過ぎには194円安の19,158円まで下落し本日の安値を付ける場面もありました。引けにかけて下げ幅を縮めた日経平均は結局7円安の19,345円で取引を終え5日ぶりに小幅反落となっています。

一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに4日続伸となり、東証マザーズ指数は4%近い上昇となっています。

2.個別銘柄等

業績予想の下方修正に大きく反応する銘柄がみられました。ビックカメラ(3048)が新型コロナウイルスの感染拡大によるインバウンドの減少や外出自粛に伴う消費低迷で通期の営業利益の見通しを従来の252億円から35億円へと下方修正し一転して減益予想となったことから8.6%安となりました。サイゼリヤ(7581)も通期の営業利益の見通しを101億円から66億へと下方修正しこちらも増益予想が減益予想となったことで4.0%安となりました。モロゾフ(2217)も通期の業績予想を引き下げたことで4.4%安となっています。

また、良好な決算を受けて上昇して始まったものの買いが続かず下落に転じた銘柄もみられました。ウエルシアホールディングス(3141)は朝方に4.0%高まで買われましたが、まもなくして下落に転じると下げ幅を広げ2.5%安となりました。ベルシステム24ホールディングス(6183)も取引開始直後に3.7%高まで上昇しましたが、こちらも直ぐに下落に転じると6.6%安となっています。

反対に決算を受けて堅調だったのがエービーシー・マート(2670)で、2021年2月期の業績予想の開示は適正かつ合理的な算出が困難であるとして見送ったものの、前期がわずかな減益に止まったこともあって1.0%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

昨日の米国市場は大幅高となったものの、本日の日経平均は7円安となりました。昨日までの4日間で日経平均が1,500円以上上げていただけに日本市場は上昇一服となりました。こうしたなか下落局面では節目の19,000円を維持し下値を固められるか、反対に上昇局面では節目の19,500円や3月下旬に付けた戻り高値(19,564円)を超えられるかが当面のポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)