今回の新型コロナウイルスに対する各国の対応は、それぞれにそのお国柄が如実に表れていて、とても興味深いです。株価が重要な国との印象が際立って高いのがアメリカです。検査の話よりも、先ずは経済や株価対策が大きく前面に出ます。アメリカは本土を攻撃されると、それは滅多にないことなので、いきなり動揺するという側面もあります。また、最後はオール・アメリカで力を合わせよう!というノリになります。アメリカのこのようなお国柄は、普段からよく見えているので、それよりも他国の対応が興味深いと思います。

唯我独尊なのがイギリス。他国が様々なロックダウンをする中で、イギリスは学校も閉じない、大勢の集まりもやめさせない、計算して、感染のピークを、病院が空いている夏に持ってゆき、次の冬に備えよう、国全体で集団免疫を作ろう、という方針を立て、それを国民に説明しています。集会禁止の法案は通すようですが、それもこの時期のコントロールを可能にするためです。イギリスは基本、出産する時も入院もなく当日に帰宅させてきた、最近でもせいぜい2泊3日のお国柄ですから、さもありなんですが、それ以上に、他国のやり方は気にならない。自分たちが一番である、というプライドを感じます。まぁ経済誌も「ザ・エコノミスト」、新聞も「ファイナンシャル・タイムズ」で、日本経済新聞とか、ニューヨーク・タイムズとか、地域の名前を冠に付けないところからも、自分たちが世界である、という感じが強いです。

この対極にあるのは、もしかしたらお隣の国・韓国かも知れません。唯我独尊ではなく、世界の中でどう評価されるかが、常に気になってしまうように見えます。ドイツは淡々として数値合理的で、メルケルがあっさりと国民の60~70%が感染するだろうと云ってしまう。そして黙々と死者を少なくコントロールするように取り組んでいる。一方イタリアは、ロックダウンされても歌っている。

宗教の影響、或いは宗教との関係も国それぞれです。イランは、アラーにお祈りすれば大丈夫だと云い、礼拝を集団でし、感染を恐れず、結果感染者と死者を増やしてしまった。一方サウジアラビアは、ムハンマド皇太子の強くて先進的リーダーシップの下、礼拝は取り敢えず禁止、そしてこの機に乗じて原油価格を下げて一気に覇権を強くしようと、現代的宗教国家というか、イランとは全く違う道を敢えて取っている。しかし宗教に関しては、詳細は書きませんがギリシアやインドなどで、やはり現代科学から考えるとかなり非合理的なことが行われて、宗教って恐い時は恐いなぁと、つくづく思います。

そして中国。この国だけは、聞こえてくることが、お国柄なのか、中国共産党の性質なのか、これが混乱します。恐らく後者なのですが、一般的にはごちゃ混ぜになっていて、これは見極めが難しいです。中国という国の最大の問題はそこにあるのでしょう。

で、さて、日本はどうでしょう?日本はアメリカの同盟国で、やはりとっても近い関係にあるようで、アメリカはイギリスからの入国でさえ禁止したのに、日本からの入国はまだOKです。安保的な同盟関係か、トランプ大統領と安倍首相の仲なのか、オリンピックの開催時期問題との絡みなのか。いずれにしろ日米はとても近く、今朝のFRBの日本時間月曜未明の金利引き下げなど、余程の日米間連携がないと出来ないように思うのですが、しかし新型コロナウイルス対応は、どちらかと云うと日本のやり方はイギリスのそれに似ていると思います。しかし日本はそれを国民に説明しない。でも国民は案外それを分かっている。日本は一事が万事、曖昧な、ボカシの入った国なのです。

でもこれらの全てのこと、各国の対応というものは、実はそれぞれの国民が望んでいるものなのだと思います。それぞれの国民が、一番心地いいように、それぞれの政府は対応しているのだと感じます。独裁国家は別ですが。今回のことは、各国・各国民は違うのだ、と云ういい勉強にもなっているのですが、日本にとっては、追い風の側面もあると思います。このことはまた近々つぶやきたいと思います。