1週間で何と2,243円も下落
2月25日以降の日経平均株価は1週間で何と2,243円も下落する結果となりました。そうなりますと、予想されるのは、これまで埋められていなかった窓がどうなったかです。
それでは今週も大きく動いた日経平均株価を、日足チャートでチェックしてみましょう。
前回は、発生した窓をコモンギャップと考え、200日移動平均線上で下げ止まるかが注目ポイントとしました。しかしながら、「一方で、2月25日の安値と200日移動平均線を一気に下回って窓をあけて始まった場合は、‥ランナウェイギャップ(=逃げる窓)となることも考えられ、押し目買いを控える必要が出てきそうです」としました。
また、「なぜなら、ランナウェイギャップが発生した場合、フィボナッチ・リトレイスメントの50%押しの水準を下回って61.8%押しの水準まで下落すると同時に、2019年10月10日から16日までのあいだにあけた3つの窓を埋めることが考えられるからです」としました。
結果はというと、買いポジションを持っている投資家にとっては残念ながら、指摘したとおり2019年10月10日から16日までのあいだにあけた3つの窓を埋める水準に達しているのが分かります。
200日移動平均線を割り込んで窓が発生
このように、2月25日以降の時点で200日移動平均線を割り込んで窓が発生した場合、一気に株価が突っ込むことを過去の経験則から予測できたことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
またこうして振り返ってみますと、見過ごしている窓にも、実はこのコラムで解説しているように重要な意味があり、株価動向を予測する上で非常に意味のある指標であることが証明されたことになるのではないでしょうか。
仮にみなさんも同様の判断をしていた場合、押し目買いは控える必要があると同時に、少なくとも下げ止まりが確認できるまで買いは控えることに結びつき、損失が発生したとしても限定的になっていることと思います。
76.4%押しの水準に到達、さらに下の窓埋めもあるのか?
さて、それでは今後の展開について窓の状況や株価の水準から考えてみたいと思います。
3月3日の時点で株価はフィボナッチ・リトレイスメントの76.4%押しの水準まで下落しています。この水準を終値で割り込むようなことになりますと、2019年8月26日から9月5日にかけてあけた3つの窓を埋めることも視野に入りそうです。
一方で、76.4%押しの水準を終値で割り込まずに維持するようですと、2月27日と28日のあいだにあけた窓を埋めることも考えられますが、その後も反発が継続するためには、200日移動平均線に接近して上回る必要があります。
また200日移動平均線が下向きに変化していますので、早期に回復できないようですと、200日移動平均線の下向きの角度が急になり上値を抑えることも考えられます。したがって、株価が戻ったとしても、上値が重たいときは高値掴みにならないよう注意する必要があると思われます。