株安・円高、大きな分岐点の可能性

米ドル/円は27日から110円を割り込んだ。世界的な株安が止まらず、それに連れた形となっている。とくに米国株、NYダウは27日、ついに2万5700ドルまで下落した。足元2万7000ドル程度の52週MA(移動平均線)を、ほぼ5%下回ってきたことになる。

ただ、定評のあるGDP予測モデル、アトランタ連銀のGDPナウは27日、今年1~3月期の米GDP成長率予想を、それまでの2.6%からさらに2.7%にむしろ上方修正した。新型肺炎の経済への影響について懸念が強まる中で、なお米国は四半期成長率が2%を大きく上回る景気回復が続いているとみているようだ。

経験的には、景気回復が続いている中での株安は限定的にとどまる可能性が高い。具体的には、52週MAを5%以上といった具合に大きく下回らない可能性が基本的には高い。上述のように、NYダウはすでに27日までに52週MAを5%程度下回ったので、以上のような見方からすると、ここから先の株安はいよいよ限られる可能性がる。

米ドル/円は、そんな米国株とこれまで高い相関関係が続いてきた。その意味では、米景気回復が続く中での一時的な株安・円高は、いよいよクライマックスに近い可能性があるだろう。それとも、新型肺炎の影響は、そのようなこれまでの経験則をも吹き飛ばすほどのものなのか。大きな分岐点に差し掛かっていることは間違いなさそうだ。