【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27081.36 ▼879.44 (2/25)
NASDAQ: 8965.61 ▼255.67 (2/25)
1.概況
米国市場は米疾病対策センター(CDC)が米国内での新型肺炎の感染拡大に備えるよう警戒を促したことから連日での急落となりました。ダウ平均は前日に急落した反動で買いが先行し朝方に188ドル高まで上昇しましたが、自律反発狙いの買いが一巡すると売りに押されマイナスに転じ下げ幅を大きく広げる展開となりました。引け間際に963ドル安まで売られ節目の27,000ドルを割り込む場面もあったダウ平均は結局879ドル安の27,081ドルで取引を終え4日続落となっています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も255ポイント安の8,965ポイントとこちらも4日続落となり節目の9,000ポイントをおよそ2カ月ぶりに割り込んでいます。
2.経済指標等
12月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比2.9%上昇し市場予想も上回りました。一方で2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は130.7と前月から小幅に上昇したものの市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーと素材、資本財・サービスが4%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)とユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、ビザ(V)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が5%を超える下落となったほか、ダウ(DOW)も5%近く下げています。また、JPモルガン・チェース(JPM)とボーイング(BA)も4%を上回る下落となりました。
ダウ平均構成絵銘柄以外では、新型肺炎の感染拡大の影響を踏まえて1-3月期の売上高見通しを下方修正したマスターカード(MA)が6%以上下げています。画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて4%余り下落しました。一方でパソコン・プリンターのHP(HPQ)が自社株買いを150億ドルに増額すると発表したことで5%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.35%となりました。一時は2016年7月6日に付けた過去最低(1.32%)を下回り1.30%を付ける場面もありました。ドル円は110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が連日で急落となったことから本日の日本市場も大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は本日も下値模索の展開となりそうですが、節目の22,000円を前に押し目買いの動きがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)