【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29348.03 △115.84 (2/19)
NASDAQ: 9817.18 △84.44 (2/19)
1.概況
米国市場は中国政府が新型肺炎の影響を受ける企業に様々な支援を講じると伝わったことで中国の景気支援策への期待が高まり上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は80ドル高でスタートすると一日を通して上げ幅を広げる展開となり取引終盤には176ドル高まで上昇しました。その後ダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局115ドル高の29,348ドルで取引を終え4日ぶりに反発しています。
また、S&P500株価指数が15ポイント高の3,386ポイントと反発し14日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も84ポイント高の9,817ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
1月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し市場予想も上回りました。1月の米住宅着工は年率換算で前月比3.6%減の156万7000戸となりましたが市場予想を上回っています。また、1月開催分の公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者が新型肺炎を世界経済への新たなリスクとして認識し事態を注視する方針で一致していたことが分かりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、エネルギーと情報技術が1%を上回る上昇となったほか、金融も1%近く上げています。一方で4業種が下げ、不動産と公益事業が1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて6%余り上げ連日での上場来高値更新となりました。また、電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げなどを材料に7%近く上昇しています。さらに決済サービスのスクエア(SQ)が目標株価の引き上げを受けて3%を超える上昇となったほか、全地球測位システム(GPS)のガーミン(GRMN)は決算が市場予想を上回る増収増益となり6%以上上げています。
一方でクーポン共同購入サイトのグルーポン(GRPN)は決算が嫌気され急落し44%を超える下落となっています。ウォルマート(WMT)は説明会で幹部が新型肺炎の拡大が2-4月期の1株利益を押し下げると述べたことが嫌気され1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの1.56%となりました。ドル円は大きく円安に振れ111円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が引けで25日移動平均線(昨日時点で23,594円)を上回れるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)