米ドル/円と21年前のNYダウの類似

私は、この数ヶ月の米ドル/円はNYダウなど米国株との相関性が高く、そしてその米国株、NYダウの昨年以降の値動きは、夏にかけて一度崩れかけたところ、「保険的利下げ」を行ったことで最高値更新の流れに戻ったところなど、1998年以降の値動きに比較的似ていると述べてきた。

以上のように、「米ドル/円=NYダウ」、「2019年以降のNYダウ=1998年以降のNYダウ」という関係がこの先も続くなら、米ドル/円の行方は1998年以降のNYダウが参考になるはずだ。実際に、昨年7月以降の米ドル/円に、1998年7月以降のNYダウを重ねてみると、よく似た動きといえなくない(図表参照)。

【図表】2019年7月以降の米ドル/円と1998年7月以降のNYダウ
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

さて、1998年7月以降のNYダウは、1999年2月まで一進一退のもみ合いが続いたが、3月にかけてもみ合いを上放れ、そしてさらに5月にかけて一段高となった。そんな21年前のNYダウの値動きと、米ドル/円の値動きの類似がこの先も続くなら、米ドル/円もそろそろもみ合いを上放れする時間帯が近付きつつあるということになる。

これまでの相関関係がこの先も続くなら、3月にかけて111円、そして5月にかけて113円へ、米ドル/円も一段高に向かう見通しになる。