【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29232.19 ▼165.89 (2/18)
NASDAQ: 9732.74 △1.57 (2/18)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。アップル(AAPL)が新型肺炎の影響で1-3月期の売上高予想を達成できない見込みだと発表したことでダウ平均とS&P500株価指数は下落しましたが、大手ハイテク株への買いを支えにナスダック総合株価指数は小幅に続伸となりました。
115ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に281ドル安まで下落しましたが、午後に入って持ち直すと取引終盤には130ドル安程度まで下げ幅を縮める場面もありました。しかし、引けにかけてやや下げ幅を広げると結局165ドル安の29,232ドルで取引を終え3日続落となっています。また、S&P500株価指数も9ポイント安の3,370ポイントとなり反落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は1ポイント高の9,732ポイントとなり14日に付けた史上最高値を小幅に更新しています。
2.経済指標等
2月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数は12.9と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で2月の全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数は74となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、資本財・サービスなどの8業種が下げました。一方で公益事業とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
新型肺炎の影響で1-3月期の売上高予想を達成できない見込みだと発表したアップルが2%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、アップルと取引のあるクアルコム(QCOM)も2%近く下げたほか、同じくアップルと取引のある通信半導体のクォルボ(QRVO)も2%を超える下落となっています。
一方でウォルマート(WMT)が決算で成長分野であるネット通販事業の採算改善見通しを示したことで1%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらに目標株価の引き上げを受けて画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も2%以上上げ上場来高値を更新しました。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを好感して7%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.56%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
アップルのニュースを日本市場は昨日の下げで既に織り込んでいることから本日は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に330円近く下げた日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)