【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29398.08  ▼25.23 (2/14)
NASDAQ: 9731.18  △19.21 (2/14)

1.概況

先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は引き続き新型肺炎感染拡大への懸念が相場の重石となり続落となりましたが、エヌビディア(NVDA)の大幅高を受けてS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発し史上最高値を更新しました。
前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開でスタートしたダウ平均ですが昼前から売りが優勢になると下げ幅を広げ取引終盤には140ドル安まで下落する場面もありました。しかし、米政権が株式への投資を促すような税制の導入を検討していると伝わると引けにかけて持ち直し結局25ドル安の29,398ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が6ポイント高の3,380ポイントとなり12日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント高の9,731ポイントとなりこちらも12日に付けた史上最高値を上回っています。

2.経済指標等

2月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は100.9と前月から上昇し市場予想も上回りました。米輸出物価指数も前月比0.7%上昇し市場予想を上回っています。一方で1月の米輸入物価指数は前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。1月の米鉱工業生産指数も前月比0.3%低下し市場予想も下回りました。設備稼働率は76.8%となり市場予想と一致しています。1月の米小売売上高も前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。12月の米企業在庫も前月比0.1%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、情報技術などの8業種が上げ、不動産は1%以上の上昇となりました。一方でエネルギーと一般消費財・サービス、資本財・サービスの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではビザ(V)が1%以上上昇し上昇率トップとなりました。また、目標株価の引き上げを受けてホーム・デポ(HD)も1%余り上げたほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も1%高となっています。一方でIBM(IBM)が2%を超える下落となったうえ、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とキャタピラー(CAT)、ファイザー(PFE)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となった画像処理半導体のエヌビディアが7%高となり上場来高値を更新しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%低い1.58%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場が高安まちまちとなったことで買い材料になりにくいことや、新型肺炎の感染拡大が懸念されているとから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に2019年10-12月期のGDP速報値が発表される予定です。5四半期ぶりのマイナス成長が見込まれていることもあり注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)