【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29276.34  ▼0.48 (2/11)
NASDAQ: 9638.94  △10.55 (2/11)

1.概況

10日の米国市場はハイテク株中心に買いが入り反発し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。106ドル安でスタートしたダウ平均ですが直ぐにプラスに転じると上げ幅を広げまもなくして120ドル高程度まで買われました。その後ダウ平均は一旦上値が伸び悩んだものの堅調に推移すると引けにかけて一段高になり結局174ドル高の29,276ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。また、S&P500株価指数が24ポイント高の3,352ポイントとなり6日に付けた史上最高値を更新したほか、ナスダック総合株価指数も107ポイント高の9,628ポイントとなりこちらも6日に付けた史上最高値を更新しています。

昨日の米国市場は新たな材料に乏しいなか小幅に高安まちまちとなり、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が前日に続いて史上最高値を更新しました。ダウ平均は新型肺炎の感染者数の伸びが鈍化するとの見方から113ドル高でスタートしたまもなくして140ドル高近くまで上昇しました。しかし、買いが続かず上げ幅を縮めると昼前には小幅なマイナスに転じました。下げ渋ったことでその後一旦持ち直したダウ平均ですが上値が伸び悩むと取引終盤に再びマイナスに転じ一時は66ドル安まで売られる場面もありました。ダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮めたものの結局わずかに戻し切れず0.4ドル安の29,276ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が5ポイント高の3,357ポイントとなり史上最高値を更新したほか、ナスダック総合株価指数も10ポイント高の9,638ポイントとなりこちらも史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

10日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術と一般消費財・サービス、不動産が1%を超える上昇となりました。

昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、不動産とエネルギーが1%を超える上昇となりました。一方でコミュニケーション・サービスと生活必需品、情報技術の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

10日の米国市場では、マイクロソフト(MSFT)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しました。また、2度の墜落事故を起こした737MAXの運航再開への期待からボーイング(BA)も2%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄でマイクロソフトに次ぐ上昇率となり、マイクロソフトとボーイングの2銘柄でダウ平均を85ドル以上押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が新型肺炎の影響で停止していた中国の上海工場での生産再開が好感され3%余り上げています。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も証券会社による買い推奨を受けて2%を上回る上昇となり上場来高値を更新しています。

昨日の米国市場では、ニューヨークの連邦地裁がTモバイルUS(TMUS)との合併を認めたことでソフトバンクグループ(9984)子会社のスプリント(S)が急騰し77%以上上昇しました。TモバイルUSも12%近く上げています。一方で競合するベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は2%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。また、スポーツ用品大手のアンダーアーマー(UAA)が決算で売上高が市場予想を下回ったことなどで急落し19%近く下げています。

5.為替・金利等

10日の長期金利は0.01%低い1.57%となりました。昨日の長期金利は0.03%高い1.60%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新していることもあって本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)