東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は142円安の2万3685円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数なども下落しましたが、東証2部指数は小幅に上昇しました。先週末の米国市場が下落したことを受けて、日経平均は196円安の2万3631円と続落して寄り付きました。9時半前に206円安まで下落して安値をつけた日経平均は、ドル円が円安方向に振れたことなどから急速に下げ幅を縮めると49円安の2万3778円で前場を終えました。後場に入ると再びじりじりと下げ幅を広げた日経平均は結局142円安の2万3685円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆685億円でした。

東証33業種は倉庫運輸関連や保険業、水産・農林業などの5業種が上昇した一方で、海運業やゴム製品、医薬品などの28業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は、下落した銘柄が多くなりました。ソニー(6758)が1.7%下落したほか、トヨタ自動車(7203)や東京エレクトロン(8035)、武田薬品工業(4502)、村田製作所(6981)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、ソフトバンク(9434)が下落しました。一方で売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1.5%上昇したほか、任天堂(7974)やファーストリテイリング(9983)は上昇しました。中でもソフトバンクグループは、同社の株式を保有する米投資ファンドのエリオット・マネジメントから最大2兆2000億円分の自社株買いや社外取締役の増員などの要求を受けていることが報じられており、株主還元の強化や企業統治の強化を期待した買いが入っています。

その他材料が出たところでは、スポーツアパレルメーカーのゴールドウイン(8111)が6.5%上昇しました。7日に発表した2019年4~12月期決算が大幅な増収増益となったほか、今期の配当予想を上方修正したことなどが好感されました。一方で電子部品メーカーの太陽誘電(6976)は、7日に発表した2019年4~12月期決算が増収増益となったものの、四半期ベースでは前年同期比で減収減益で中でも純利益は50%近い減益となったことが嫌気されて3.3%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落しました。明日が建国記念の日で休場となることもあり、リスク回避の売りが出やすかったようです。また、新型肺炎による中国本土での死亡者数が重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体での死亡者数を上回ったことや、工場などの稼働再開を延期する企業が相次いでいることなどが相場の重荷となっています。こうした中、休み明けの日経平均が反発できるかが注目されます。なお、本日は引け後に栗田工業(6370)や三菱地所(8802)、サンドラッグ(9989)などが決算を発表しています。

(マネックス証券 プロダクト部)