【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29290.85  △483.22 (2/5)
NASDAQ: 9508.68  △40.71 (2/5)

1.概況

米国市場は新型肺炎に効果的な治療薬を発見したとの報道や良好な経済指標を受けて3日続伸となり、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は241ドル高でスタートすると一日を通して上げ幅を広げる展開となり取引終盤には501ドル高まで買われる場面もありました。結局ダウ平均は483ドル高の29,290ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数が37ポイント高の3,334ポイントとなり先月17日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント高の9,508ポイントとなり前日に続いて史上最高値を付けています。

2.経済指標等

1月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比29万1000人増となり市場予想を上回りました。1月の米ISM非製造業景況感指数も55.5と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、12月の米貿易収支の赤字額は489億ドルとなりました。この結果2019年の貿易赤字は前年比1.7%減の6167億5500万となり6年ぶりに赤字額が縮小しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーが4%近く上昇したほか、金融とヘルスケア、素材も2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもユナイテッド・ヘルスグループ(UNH)が5%を超える上昇となったほか、IBM(IBM)も5%近く上げています。また、エクソンモービル(XOM)も4%以上上昇したうえ、ボーイング(BA)とダウ(DOW)、スリーエム(MMM)、シェブロン(CVX)、トラベラーズ(TRV)も3%を上回る上昇となりました。一方で決算で売上高が市場予想を下回ったメルク(MRK)が3%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、前日まで大幅高が続いていた電気自動車のテスラ(TSLA)が投資判断の引き下げを受けて17%以上下げています。写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)も1-3月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで急落し15%近く下落しました。さらに音楽配信最大手のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)も決算で売上高が市場予想を下回ったことなどで5%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い1.65%となりました。ドル円は円安に振れ109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は一目均衡表の雲の上限(23,663円)を抜けてくるような展開となりそうです。また、13時25分にはトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)