東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は234円高の2万3319円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども上昇しました。前日の米国市場が上昇したことやドル円が109円台半ばまで円安に振れたことを受けて、日経平均は266円高の2万3351円と続伸して寄り付きました。買い一巡後じりじりと上げ幅を縮めた日経平均は、10時半過ぎに157円高まで上げ幅を縮めたものの、その後は持ち直して265円高の2万3350円で前場を終えました。後場に入ってからも堅調に推移した日経平均は、14時に330円高で高値をつけるとその後やや上げ幅を縮めて234円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4412億円となりました。
東証33業種はその他金融業を除く32業種が上昇しました。中でも水産・農林業や保険業、鉱業などが大きく上昇しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。ソフトバンクグループ(9984)や任天堂(7974)、パナソニック(6752)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、武田薬品(4502)、三菱UFJ(8306)がいずれも上昇しました。中でも武田薬品工業は4日に2020年3月期通期の業績予想を上方修正したことなどが好感されて2.4%上昇しました。前回発表した営業赤字見通しが黒字見通しに修正され、純利益見通しについても赤字幅が縮小する見込みとなっています。一方で売買代金トップのソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、村田製作所(6981)がいずれも下落しました。
その他材料が出たところでは、エヌ・ティ・ティ・データ(9613)が7%下落しました。4日に発表した2019年4~12月期決算が減益となったほか、一部の外資系証券が目標株価を引き下げたことが嫌気されました。また、4日に2019年12月期通期の決算を発表した花王(4452)は売上高や純利益が減収減益で着地したことなどから売られて2.1%安で取引を終えました。中国市場での紙おむつ事業の減速や為替変動などが減益の要因となったようです。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日本市場は、米国株高や円安進行を受けて上昇しました。中国人民銀行が大規模な資金供給を実施したことや今後も追加の景気刺激策が行われる可能性が報じられたことで、新型肺炎による経済への悪影響に対する警戒感が和らいでいます。なお、本日は引け後にZホールディングス(4689)やマツダ(7261)、パン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス(7532)などが決算を発表しています。また、明日の取引時間中の13時25分にトヨタ自動車が決算を発表する予定です。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)