東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は112円高の2万3084円と反発して2万3000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども総じて上昇しました。米国市場は上昇したものの上げ幅を大きく縮めるなど戻りが鈍かったことや、新型肺炎への警戒感などから日経平均は90円安の2万2881円と続落して寄り付きました。まもなく117円安まで下落して安値を付けた日経平均は、しばらくもみ合った後じりじりと下げ幅を縮めてプラスに転じ、23円高の2万2995円で前場を終えました。後場に入ってからも上げ幅を広げた日経平均は、14時半過ぎに146円高まで上昇するとその後はやや伸び悩み、112円高の2万3084円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3504億円でした。東証33業種はパルプ・紙やその他金融業、空運業などの29業種が上昇した一方で、水産・農林業や精密機器、証券商品先物などの4業種は下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。任天堂(7974)が0.1%上昇したほか、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)、村田製作所(6981)、パナソニック(6752)、東京エレクトロン(8035)、トヨタ自動車(7203)、富士通(6702)が上昇しました。中でも村田製作所は3日に発表した2019年4~12月期決算が減収減益となったものの市場予想を上回ったことや、2020年3月期の配当予想を上方修正したことが好感されて4.3%上昇しました。また、パナソニックは3日に発表した2019年4~12月期決算が減収減益となったものの、四半期ベースでは営業利益が市場予想を大幅に上回り前年同期比増益で着地したことや同社CFOから車載電池事業の黒字化を示唆する発言が出たことなどが好感されて10%上昇しました。一方で売買代金トップのソニー(6758)やKDDI(9433)は下落しました。

その他材料が出たところでは「食べログ」や「価格.com」などを展開するカカクコム(2371)が後場で一段高となり4%高で取引を終えました。本日前引け後に発表した2019年4~12月期決算が増収増益となり、営業利益の通期予想に対する進捗率が78%となるなど堅調な業績を好感した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は下げて始まったものの上海や香港などアジア市場の堅調さを受けて後場にかけて上昇する展開となりました。新型肺炎の感染拡大が世界経済にもたらす影響が依然として不透明であり警戒感が残るなか、日経平均が2万3000円を上回る水準を維持できるかが注目されます。なお、本日は引け後に花王(4452)や武田薬品工業(4502)、ソニー、NTTデータ(9613)などが決算を発表しています。

(マネックス証券 プロダクト部)