【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28399.81 △143.78 (2/3)
NASDAQ: 9273.40 △122.47 (2/3)
1.概況
米国市場は自律反発狙いの買いや良好な経済指標を好感した買いで反発しました。63ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして374ドル高まで上昇しましたが、新型肺炎への警戒感から午後にかけて上げ幅を縮めると結局143ドル高の28,399ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も122ポイント高の9,273ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の米ISM製造業景況感指数は50.9と判断の分かれ目となる50を半年ぶりに回復し市場予想も上回りました。一方で12月の米建設支出は前月比0.2%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、素材が2%以上上昇したほか、情報技術とコミュニケーション・サービスも1%を超える上げとなりました。一方でエネルギーと資本財・サービス、生活必需品の3業種が下げ、エネルギーは1%を上回る下落となりました。
4.個別銘柄動向
ナイキ(NKE)が押し目買いの好機との指摘を受けて3%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、電気自動車のテスラ(TSLA)がS&P500株価指数に採用されるとの思惑から買われ20%近く上げ上場来高値を更新しています。さらにバイオ製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)が新型肺炎に開発中の抗ウイルス治療薬を治療に使えるかどうかを検証していると発表したことで5%高となっています。一方でグーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)が時間外で大幅安となっています。取引終了後に発表した決算で売上高が市場予想を下回ったことが嫌気されました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い1.52%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場の反発は下げ幅を縮める展開となった昨日の日本市場にすでに織り込まれているとみられることから本日の日本市場はやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に急落した上海市場や米アイオワ州での民主党党員集会の動向などが注目されそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)