【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28376.96  △137.68 (12/19)
NASDAQ: 8887.22  △59.48 (12/19)

1.概況

米国市場は半導体株などへの買いを支えに上昇し主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。ダウ平均は39ドル高と上昇してスタートすると昼前に142ドル高まで上げ幅を広げました。その後上値が伸び悩んだダウ平均ですが堅調に推移すると結局137ドル高の28,376ドルと反発し17日に付けた史上最高値(28,267ドル)を更新して取引を終えています。

また、S&P500株価指数も14ポイント高の3,205ポイントと反発しこちらも17日の史上最高値(3,192ポイント)を上回っています。さらに、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も59ポイント高の8,887ポイントと7日続伸となり6日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万8000件減の23万4000件となりましたが市場予想ほどは改善しませんでした。また、12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も0.3と前月から低下し市場予想を大きく下回りました。11月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比1.7%減の535万戸となり市場予想を下回っています。さらに11月の米景気先行指標総合指数も前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。7-9月期の米経常収支の赤字額は前月比0.9%減の1240億9400万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産やコミュニケーション・サービス、情報技術などの9業種が上げ、不動産は1%余り上昇しました。一方で公益事業とエネルギーの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が市場予想を上回る決算を受けて目標株価の引き上げが相次ぎ3%近く上げました。他の半導体株にも買いが広がり画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も2%以上上げたほか、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やインテル(INTC)も1%を超える上昇となっています。また、目標株価の引き上げを受けて動画配信のネットフリックス(NFLX)が3%以上上げました。シスコシステムズ(CSCO)も目標株価と投資判断の引き上げを受けて2%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。一方で外食のダーデン・レストランツ(DRI)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで6%を上回る下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.92%となりました。ドル円はやや円高に振れ109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が上昇する一方でドル円が円高となっていることから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円などの動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)