投資すべき金融商品を見極めるためには、コストをチェックすること、そしてリスクとリターンの関係をきちんと理解することが大切だと前回書きました。
金融商品の選択で重要なルールは「わからない商品には投資をしない」こと
コストを調べるのは、比較的簡単かもしれません。しかし、リスクとリターンの関係は、ある程度の金融リテラシーのある人でないと、本当に自分の判断が正しいのか自信が持てないこともあると思います。
特に最近はデリバティブ(金融派生商品)を組み入れた複雑な仕組みの商品も増えており、リスクの判断を直感的に出来ないケースが珍しくないのです。
もし、リスクとリターンの関係がよく分からないなら、その商品には投資をしないことです。金融商品の選択で重要な最初のルールは「わからない商品には投資をしない」ことなのです。
仕組みがブラックボックスになっていて、どのような運用をされているのかわからない商品、あるいはデリバティブなど高度な金融工学を駆使して運用されていて、理解できない商品などは、あえて投資をする必要はありません。
過去の優れた投資実績を見て、このような複雑な商品の取引を始める個人投資家の方もいますが、過去の実績は将来を保証するものではありません。
インデックスファンドのような、誰にでも理解しやすいシンプルな商品の方が、運用コストも低く、結果的に高いリターンにつながることもあるのです。
アメリカの著名投資家ウォーレン・バフェット氏も「自分がわからない商品には投資しない」と語り、つい最近まではIT系の銘柄への投資にも消極的になっていました。
商品を勧める販売員がいたら「あなたは買っていますか」と聞いてみる
そして、もう1つのルールは、商品案内をされた時の対応です。営業マンに商品を勧められたら「あなたは買っていますか」と聞いてみましょう。
本当に良い商品であれば、人に勧めるだけではなく、当然営業マン自身もその商品で資産運用をしているはずです。自分だけではなく友人や家族にも自信を持って勧めている商品であることがわかれば、信頼に値するといえるでしょう。
個人投資家が投資商品選びで失敗することがあるのは、よく理解できない商品を勧められるがままに購入してしまう場合があるからです。
今回紹介した「わからない商品には無理をして投資をしない」「販売している人に、あなたも買っていますかと聞いてみる」という、2つの方法を取り入れるだけでも、怪しい商品や高コストの商品に手を出すことがなくなり、資産運用の結果はきっと今より改善するはずです。
投資のリターンは、このようなシンプルな方法を実践するだけでも随分変わってくるのです。