銀行や証券会社では様々な金融商品が販売されています。個人投資家はどのように投資対象とする商品を見極めればよいのでしょうか。

金融商品はまずコストをチェックする

まず、金融商品でチェックしなければいけないのはコストです。

例えば、投資信託であれば、2つのコストがかかってきます。1つは、販売手数料と呼ばれる購入時にかかるコスト。そして、もう1つは信託報酬と呼ばれる、保有期間に応じてかかってくる管理料のような費用です。

マネックス証券を始めとするネット証券では、もともと販売手数料のかからないノーロードファンドと言われる投資信託の比率が高く、低コストの投資信託の品ぞろえが充実していました。

さらに、最近ネット証券では投資信託の販売手数料を全廃する動きが進んでいます。
マネックス証券でも、2019年12月13日(金)申込受付分(予定)より、取扱うすべての投資信託の購入時申込手数料をノーロード(0円)にするようです。

こうなってくると、コストを考えれば、銀行や証券会社等の窓口で販売手数料を払って投資信託を購入するのは、合理的でなくなります。店頭で、担当者から商品のセールスの説明を聞いて、それに手数料を払う。個人投資家が、そんな販売員の人件費などのコストを負担する必要はないのではないでしょうか。

リスクとリターンの関係をきちんと理解する

また単にコストが低いだけではなく、リスクとリターンのバランスが悪い商品も買ってはいけないと私は考えています。

仕組み債と呼ばれる債券は、その代表的な商品の1つです。仕組み債とは、特定の会社などの株価(あるいは日経平均などの株価指数)に連動する債券です。

例えば、ある会社の株価が上昇あるいは一定の範囲にあれば、好利回りの債券としてリターンを得ることができますが、株価の変動によって元本を割り込んだり、満期前に早期償還されたりする可能性があります。そのため、債券ではありますが、リターンに対して株価変動の影響を受けるリスクの高い商品なのです。

一見、好利回りの債券に見えるので、個人投資家からすれば魅力的に感じられますが、株価が値下がりした時の株価変動リスクがあることを理解しておきましょう。

このように、コストやリスクとリターンの関係など、個人投資家が投資対象を選ぶ際に有用となるいくつかの判断基準があります。では実際に、投資しようかどうか迷った時に、具体的にはどうやって決めたら良いのでしょうか。

そのシンプルな方法を次回ご紹介したいと思います。