小動き「記録」更新の米ドル/円

年内最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)が先週終わりました。それを受けた先週までの米ドル/円は、108.43~109.72円、最大値幅は1.3円程度にとどまっています。過去5年間の実績を参考にすると、FOMC翌日までに、12月米ドル/円値幅の7割以上は決まりました。これを参考にすると、今月の値幅が2円以上に拡大するのはかなり難しそうです。

ということは、今月はこの先米ドル高・円安に動いても110円に乗せられるかどうか、逆に米ドル安方向に値幅が拡大しても108円を割れるかどうかにとどまるといった計算になります。

そうであるなら、今年は104~112円台での推移で、年間値幅は8円程度にとどまり、過去最小で推移していますが、これまで見てきたように、この12月後半に今年の高安値更新は難しそうですから、あと半月残しながらも、年間値幅最小更新はほぼ確定した可能性が高いでしょう。

そもそもイベントの面でも、注目された英総選挙や米国における第4次対中制裁問題も先週までに基本的には決着しました。その意味では、材料も出尽くし、少し早めのクリスマス薄商い入りとなってもおかしくなさそうです。

以上のように、小動きがこの先も続きそうな「理由」を書いてきましたが、ただだからこそ、年明けには動意が出る可能性のある「理由」を最後に確認してみたいと思います。

もしも、このまま12月の米ドル/円値幅が1円台にとどまるなら2ヶ月連続ということになり、これは確認できる限りでは初めてのことです。これまで月間値幅が1円台にとどまったのは5回(2019年4・7・11月、2018年11月、2014年6月)ありましたが、このうち3回は、翌月の値幅が4円前後に急拡大しました。

また、このままいくと、4ヶ月連続の3円未満の値幅ということになりますが、そうなると2014年2~8月の7ヶ月連続に続く記録となります。ところで、今回以上に小動きが長期化した2014年のケースは、それが一巡すると一転して5円以上の値幅の大相場が4ヶ月続くところとなったのです。

以上のように、記録的に小動きが一巡した後は、その反動で値動きが活発化しやすいということはいえそうですから、その意味では年明けの値動きには期待できる可能性があるかもしれません